外壁、屋根のリフォーム費用相場は?適正な価格を解説

公開日:2024.2.5 最終更新日:2024.2.13

新築時は綺麗な外壁や屋根でも、何年も雨や風、紫外線に晒され続けると色褪せたりひび割れが起きたりと劣化症状が出ます。そのため、外壁や屋根の耐用年数に合わせて適切なリフォームを行わなければなりません。劣化症状が目で確認できるにもかかわらず、リフォームによるメンテナンスを怠ると、その分家の寿命を縮めることにも繋がるでしょう。

 

そこで、この記事では外壁・屋根のリフォームの特徴、必要な理由や費用相場について解説していきます。実際に行ったリフォームの施工事例も解説していますので、どうぞご覧ください。

 

目次

外壁リフォームとは

外壁リフォームとは、家の最も外側にあり常に外気に晒され続けている外壁のメンテナンスを行うことです。外壁リフォームは、ひび割れた部分の補修をしたり、塗装工事をしたり、外壁そのものを全て張り替えたりなど様々な工事内容があります。

 

外壁の劣化具合によってどの種類の工事でメンテナンスを行うかが異なってきます。そのため、数十万円の費用でメンテナンスが完了する場合もあれば、200万円〜300万円かけてリフォームをすることもあるのです。大きな費用を負担しなければならないため、外壁リフォームをためらって先延ばしにしてしまう方もいるでしょう。しかし、長く家に住むためにも外壁リフォームは必要です。

 

定期的に外壁の状態を確認したり、業者に点検してもらい、劣化状態に合った適切なリフォームを行うようにしましょう。

外壁リフォームが必要な理由

外壁リフォームが必要な理由は、主に3つあります。

雨風・紫外線などの外気から住宅を守るため

1つ目は、雨風・紫外線などの外気から住宅を守るためです。外壁は、大雨の時も猛暑の時も外気に晒され続けながら、住む人の快適な住空間を守り続けています。しかし、外壁にも寿命があり年中外気に晒され続けていると確実に劣化が進み、数年が経過すると色褪せやひび割れなどの劣化症状が現れてくるでしょう。

 

劣化症状が現れた時に適切なリフォームを行わずに放置していると、ひび割れがさらに大きくなるなど悪化します。ひび割れた部分から雨水が浸入すると、いずれは外壁の内側にある建物の構造体まで腐食し、家の寿命に大きな悪影響をもたらします。長く住み続けるためにも、家を守るためにも適切な外壁リフォームを行いましょう。

住宅の美観を守るため

2つ目は、住宅の美観を守るためです。新築時はピカピカで綺麗な外観でも、年月が経過するとくたびれた印象になってきます。

 

外壁リフォームでは、塗装工事や外壁の張り替え工事を行うことで、新築時のような美しさを取り戻すことも可能です。また、別の色の塗料を使ったり、今までとは違う外壁材を使用することで雰囲気を一新させることもできます。最近では、遮熱塗料など外壁を守るための様々な機能が搭載された塗料や、汚れにくい外壁材も開発されています。

 

機能性のある材料を自分の家の外壁リフォームに採用することで、新築時以上の快適さを手に入れることもできるでしょう。

家の資産価値を守るため

3つ目は、家の資産価値を守るためです。新築時から住み続けた家を売る場合、外壁塗装などのメンテナンスをしっかりと行っている家の方が高く売れる可能性があります。

 

たとえ同じ築年数でも、「定期的にメンテナンスを行っている家」と「メンテナンスをせずに年月が経過した家」を比較すると、どちらの家を買いたいと思うか一目瞭然ではないでしょうか。中古住宅を購入する人は、「どのくらい長く住み続けられるか」「メンテナンス費が最低限度で済ませられるのか」という点を考えながら、購入を検討しています。

 

家を将来のための資産として維持したいなら、外壁リフォームによるメンテナンスは手を抜かないようにしましょう。たとえ売却予定がなくても、長く住み続けるためにも外壁のメンテナンスはとても重要です。

外壁リフォームの工事内容

外壁リフォームは「補修」「外壁塗装」「外壁カバー工法」「外壁張り替え」の主に4種類があります。

外壁の補修

「補修」は、外壁にひび割れや剥離があったり、目地が割れている場合に用いられます。

目地の部分が剥がれていたらシーリングを充填して、隙間を埋めることで補修が完了です。

外壁塗装

「外壁塗装」は、既存の外壁材の上から塗料を塗るリフォームのことです。この工事は、外壁の劣化状態が比較的軽い場合に使われます。

 

外壁を洗浄し、クラックなどの小さなひび割れがあれば補修、目地部分のシーリングの補修が必要であれば先に行います。その後、塗料の下塗り・中塗り・上塗りを行い、必要であれば板金や軒天、雨樋の塗装を行ってメンテナンスの完了です。

外壁カバー工法

「外壁カバー工法」は、既存の外壁の上に新しい外壁を貼る工事内容です。既存の外壁を撤去・処分する必要がないため、比較的短い工期で施工することができます。外壁を重ねて施工することになるため、断熱性能が高まり冷暖房効率を高めることにも繋がります。そのため、冷暖房費の節約も期待できるでしょう。

 

また、防音性能も高まるため、外からの音が気になりにくくなり、室内の音が外に出にくくもなります。塗装の場合、外壁の色しか変更できませんがカバー工法を用いることで、外壁の種類も一新できます。例えば、既存の外壁は石目調でも、カバー工法を用いることでレンガ調に変えることも可能です。

外壁張替え

「外壁張り替え」は、既存の外壁を剥がして新しい外壁に張り替える工事のことです。これは、修復不可能な劣化が発生している場合に行われる外壁リフォームです。劣化した部分を全て取り除いて新しい外壁を張り替えるので、新築時のような美しさを取り戻せます。

 

外壁の張り替えは、カバー工法と違い外壁材の撤去・処分作業があるため、その分費用もかかり工期も長くなりやすいです。ですが、外壁材を取り除くことで外壁下地や構造材の状態を確認することができます。もし雨漏りやシロアリ被害によって外壁下地や構造材が腐食・劣化しているのであれば、張り替え工事の時に一緒に補修することが可能です。新品の外壁材に取り替えるので、様々な機能性を持った外壁材を選べばより長く快適に過ごすこともできるでしょう。

 

外壁リフォームの費用

外壁リフォームは、リフォーム工事の内容によって費用が全く異なります。

外壁の補修

「補修」の場合、ひび割れ部分・剥離部分・目地割れ部分の修理などがあり、それぞれ劣化の程度によって金額が変わってきます。例えば、目地部分のシーリングの補修の場合、工事にかかる費用の目安は30万円〜高くても40万円程度かかります。

外壁塗装

「外壁塗装」の場合、壁に塗る面積の広さ、使用する塗料の量や機能性・耐久性によって金額が変わってきます。一般的によく使われている耐用年数5〜7年のシリコン樹脂塗料で、塗る面積が150㎡の場合、足場を組む費用も含めると100万円前後かかってきます。

外壁カバー工法と外壁張り替え

外壁カバー工法と外壁張り替え工事も、使用する外壁材の種類によって費用は大きく変わってきます。外壁カバー工法の費用相場は、約150〜250万円程度で、外壁張り替え工事は約200〜350万円程度が目安です。

 

外壁カバー工法と外壁張り替え工事の費用の違いは、外壁張り替え工事には既存の外壁を撤去・処分する作業が追加されるからです。また、外壁材にアスベストが含まれている場合、外壁張り替え工事をする際にアスベストの処分作業費用もかかってくるため、その分さらに工事費用が高額になります。

外壁リフォームメリット

外壁リフォームを行うことで、主に5つのメリットが得られます。

住まいの外観を新しくできる

1つ目は、住まいの外観を新しくできる点です。外壁の塗装や張り替え・カバー工法を行うことで、くたびれた外観を新築時のような美しい見た目に一新させることができます。今までの外壁の色やデザインも、外壁リフォームで変えることができるので住まいの印象もガラッと変えられます。

外壁の劣化を遅らせることができる

2つ目は、外壁の劣化を遅らせることができる点です。既存の外壁にひび割れや剥がれなどの劣化症状が発生している場合、塗装や外壁材の張り替えを行うことで劣化状態を改善することができます。

家の寿命を伸ばせる

3つ目は、住宅を雨風や紫外線から守り、家の寿命を延ばせる点です。外壁は塗装や張り替え工事を行うことで、家を保護することにも繋がります。厳しい自然環境から家を守るためにも、定期的なリフォームを行って家を保護することはとても重要です。

新たな機能を付与できる

4つ目は、外壁材に新たな機能を付与できる点です。最新の外壁材や塗料には、以下のような様々な機能が備わった商品があります。

 

  • 雨水による劣化を軽減させる「防水機能」
  • 外壁表面の温度上昇を軽減する「遮熱機能」
  • 雨水によって汚れを洗い落とせる「セルフクリーニング機能」
  • 太陽光によって汚れを分解する「光触媒機能」
  • カビや藻の発生を抑える「防カビ・防藻機能」
  • 金属製のサイディングのサビの発生を抑える「防錆機能」

 

機能性の高い塗料や外壁材を使って外壁リフォームをすることで、外壁の劣化を遅らせて長く快適に過ごせる住まいに生まれ変わらせることもできます。

住まいの資産価値を守ることができる

5つ目は、住まいの資産価値を守ることができる点です。定期的に外壁リフォームを行うことで見た目の美しさや耐久性を保つことができるため、定期的なメンテナンスを行っていない家よりも資産価値が高くなります。将来売却を考えている人や、長く住み続けて家族に住まいを相続したいと考えている人は、少しでも家を長持ちさせるためにも外壁リフォームを行いましょう。

外壁リフォームデメリット

外壁リフォームをすることによるデメリットは特にありません。強いてデメリットをあげるとすると、費用が発生する点でしょう。

 

外壁リフォームの費用を先に解説していますが、外壁の補修だけでも数十万かかり、外壁の張り替え工事となると数百万円を1度に支払わなければなりません。そして、定期的なメンテナンスが必要となるため10年に1度は外壁リフォームによって大きな出費が発生する可能性があるということを念頭に置いておきましょう。

 

つまり、家を購入し住み始めてから発生するメンテナンス費用の貯金をするなど、長期的な視点を持って資金計画を立てておくことが重要なのです。

 

屋根リフォームとは

屋根も外壁と同様、年中厳しい自然環境に晒されながら住む人たちの快適な住環境を守っています。しかし、やはり年月が経過すると劣化し、家の寿命にも影響してくるのです。

 

外壁は劣化を発見しやすいですが、屋根は外からでは劣化の状態を確認しづらく、「屋根がどのような状態になっているのか」「屋根に補修が必要なのか」といったことがわかりにくいです。そのため、屋根の補修が必要かどうかは専門業者に依頼し、劣化状態をチェックしてもらう必要があります。

 

屋根リフォームが必要な理由や工事内容について説明していきます。

屋根リフォームが必要な理由

外壁リフォームと同様、屋根も定期的なリフォームによるメンテナンスが必要です。屋根は、晴れた日には紫外線に晒され、雨が降る日には雨水に叩きつけられ、風が強い日には吹きつけてくる砂や土埃によって傷つけられています。毎日何かしらの自然環境によって被害を受けている屋根は、少しずつ傷みを蓄積していきます。

 

そして新築から10年ほどが経過すると、色褪せたり破損したりなど劣化が進んでいくのです。屋根が劣化すると、劣化した部分から雨水が染み込み、家の中に雨漏りを発生させる恐れもあります。さらに家の内部に雨水が浸入すると、構造体の腐食にも繋がり、家そのものの寿命を縮めてしまうことにも繋がるでしょう。マイホームに長く住み続けるためにも、定期的にリフォームを行って屋根を守っていくことが重要です。

屋根リフォームの工事内容

屋根リフォームは、主に「屋根塗装工事」「屋根カバー工事」「屋根葺き替え」の3種類があります。

屋根塗装工事

「屋根塗装工事」は、屋根の塗装を行う工事です。屋根リフォームの中でも比較的安い価格で工事することができます。屋根塗装は、屋根材表面を塗膜でコーティングすることで、屋根材を経年劣化から保護できます。また、最近の屋根の塗料は防水性の高い塗料が多いため、防水機能のある塗料で屋根を塗装することによって雨水に強い屋根として生まれ変わります。

 

トタン屋根やガルバリウム鋼板のような金属製の屋根の場合、劣化するとサビが発生しその部分から徐々に傷み始めますが、塗装することによりサビを防止することが可能です。また、スレート屋根の場合カビやコケ・藻が発生する場合もあります。これは屋根の塗膜が剥がれることにより、スレートの主成分であるセメントが水を吸収し、湿った状態になることでカビやコケが発生しやすい環境となっているのです。カビやコケは美観が損なわれるだけでなく、屋根材そのものを傷める原因となるため高圧洗浄で洗い流してから塗装工事を行って、屋根材を守ることができます。

 

塗装工事は、太陽の日差しに晒されている屋根材に、遮熱・断熱効果を付与することもできます。機能性の高い塗料を使うことで、より屋根を長持ちさせて家そのものの寿命を伸ばすことに繋がるのです。

屋根カバー工事

「屋根カバー工事」は、既存の屋根の上に防水シートと新しい屋根を重ね葺きする工事のことです。既存の屋根の撤去や処分がないため、比較的短い工期で工事が完了します。また、屋根を重ね葺きするため屋根の厚みがその分増し、断熱性能・防音性能の向上も期待できます。

 

カバー工事は、葺き替え工事よりも費用を安く抑えて工事をすることが可能ですが、屋根を重ね葺きできるのは1度までです。屋根材を重ね葺きすると、その分屋根が重くなってしまうため構造体である柱や梁への負担が増加し、耐震性に影響がないか少し心配なところです。カバー工事で使用される屋根材は、主に軽い素材の金属屋根のため耐震性が大きく落ちるという心配はありませんが、家の形状や屋根材の形状、太陽光パネルの設置状況などによってはカバー工事が適さない場合もあります。

本当にカバー工法が適切な工事なのか、専門業者に現場をしっかりと見てもらって判断してもらうことをおすすめします。

屋根葺き替え

「屋根葺き替え」は、既存の屋根を取り払って新しい屋根材に変える工事のことです。葺き替え工事では、屋根材だけでなくルーフィングや野地板にも傷みがあれば補修や交換ができます。また、新しい屋根材に交換する際に最新の屋根材に交換することで、高い耐久性や耐震性など新築時には付与できなかった機能を新たに付与することができます。

 

カバー工事や屋根塗装工事よりも、屋根材の選択肢も豊富なので外観を一新させたいという場合にも対応がしやすいのも屋根葺き替え工事のメリットの1つです。ただ、既存の屋根材の撤去や処分作業などが加わるため、工期が長くなりやすく費用も高額になりやすいです。構造材にも補修が必要であれば、その分の人件費や材料費もかかってきます。

 

また、定期的に足場を組んで補修するよりも、1度の屋根葺き替え工事を行う方が、長い目で見た時にはメンテナンス費用を節約できるという場合もあります。今の屋根の状況によって、費用を削減できるかどうかが変わってくるので専門業者に屋根を点検してもらい、適切なアドバイスをもらうようにしましょう。

屋根リフォームの費用

屋根リフォームの費用は、「屋根塗装工事」「屋根カバー工事」「屋根葺き替え」によって異なります。

屋根塗装工事

まず屋根塗装工事の場合、費用相場は大体40万円〜です。屋根塗装工事には、足場の仮設工事、高圧洗浄による屋根の洗浄、下地補修や金属屋根の場合は表面を研磨するケレン作業、塗装、スレート屋根の場合は雨漏りを防止する縁切りという作業を行います。使用する塗料の種類や屋根面積の広さによって、費用が多少変わってくることもありますが大体40万円以上かかると想定しておくと良いでしょう。

屋根カバー工事

屋根カバー工事の場合は、60〜210万円前後かかっています。屋根カバー工事は、足場の仮設工事の他に新しい屋根材の施工や金具の取り付け、下地が劣化している場合はコンパネや野地板の補修、防水シートの施工などが費用に含まれています。屋根の面積が広かったり、複雑な形状の場合、費用が高額になる場合もあるので、まずはリフォーム業者に現地調査をしてもらって見積もりを出してもらうようにしましょう。

屋根葺き替え

屋根葺き替えは、既存の屋根と交換する屋根の種類によって金額が異なってきます。例えば、既存の屋根が瓦の場合、瓦から瓦に交換する場合は100〜270万円ほどかかるのに対し、瓦からガルバリウム鋼板に葺き替える場合は80〜250万円ほどです。この金額には、既存屋根の撤去費用や下地補修、防水シートの施工や足場費用も含まれています。

 

既存の屋根材にアスベストが含まれている場合、アスベスト処理費が追加でかかってきます。古いスレート屋根がアスベスト含有の場合、処理費には1m2あたり大体2万円から8万円ほどかかり、かなり高額です。他にも、葺き替え工事の場合、屋根を撤去して構造体に傷みがあれば補修をしなければならず、工事中の追加請求も発生する可能性があるため、注意が必要です。

屋根リフォームメリット

屋根リフォームのメリットを見ていきましょう。

屋根・家の寿命を延ばせる

メリットの1つ目は、屋根・家の寿命を延ばせる点です。屋根は外壁と同様、年中雨風や紫外線に晒され続けるため、10年程度で劣化が始まります。劣化状態に合わせて適切なメンテナンスを行うことにより、屋根は外界の刺激から守られて屋根の寿命を延ばすことにつながります。屋根の寿命が延びることで、家そのものの寿命も伸ばすことに繋がるため安心して長く住み続けられるのです。

家の見栄えが良くなる

2つ目は、屋根リフォームをすることで家の見栄えが良くなる点です。色褪せた屋根材を塗装するだけでも、家の印象が大きく変わります。また、屋根を葺き替えたりカバー工事をすることで新築時のピカピカな状態に一新させることも可能です。塗料の色を変えたり、葺き替え・カバー工事する屋根材を今までとは違うものにするだけでも、家の雰囲気が変わるのでその変化も楽しめます。

耐震性を高めることができる

3つ目は、耐震性を高めることができる点です。屋根の葺き替え工事を行う際に、既存の屋根よりも軽い屋根材に変えることでその分耐震性を高めることができます。例えば、昔ながらの瓦屋根からガルバリウム鋼板などの軽い屋根材に変えるだけでも耐震性をかなり上げることが可能です。瓦屋根は地震によって、瓦が落ちてしまったり倒壊するケースもあるので、もしもの時に備えてメンテナンスの際に、軽い屋根に葺き替えることもおすすめです。

結露防止対策になる

4つ目は、屋根カバー工事の場合、断熱性を高め野地板の結露防止対策になる点です。屋根カバー工法の場合、屋根を重ね葺きするためその分断熱性能が高まります。さらに断熱材一体型の金属屋根を採用することで、より断熱効果が期待できるので、室内の熱が外に逃げにくくなります。重ね葺きされているので雨音も抑える防音効果も期待できるでしょう。また、屋根の下地に使われる野地板が結露して腐食してしまうことも防いでくれます。

屋根リフォームデメリット

屋根リフォームのデメリットを紹介します。

費用が高い

1つ目は費用が高い点です。屋根リフォームは、塗装工事でも数十万円の費用がかかり、葺き替え工事となると数百万円を負担しなければなりません。さらに葺き替え工事の場合、アスベスト含有の屋根材だと専門業者にアスベストの処理をしてもらう必要があります。

 

アスベスト処理費用は、1m2でも数万円かかってくるので、屋根全体を処理するとなると100万円以上かかってくるでしょう。また、塗装工事や新しい屋根に葺き替えた時に太陽光パネルを設置するなど、新たな工事も加わるとその分費用が高くなります。

太陽光パネルの場合、設置することで自家発電による電気代の節約にもつながりますが初期費用が高額になりやすいので、導入を検討する場合は業者に見積もりを出してもらって判断しましょう。

雨漏りするリスクがある

2つ目のデメリットは、リフォーム中に雨漏りするリスクがある点です。屋根のリフォームを行う際には、極力晴れの日が続く時期を選んで依頼をするようにしましょう。業者によってはリフォーム中に雨漏りを引き起こしてしまう可能性もあります。屋根リフォームの実績のある業者にリフォームをお願いし、工事中の雨漏りが発生しないように対処しましょう。

選ぶ業者によって完成度が大きく異なる

3つ目のデメリットは、選ぶ業者によって完成度が大きく異なる点です。費用だけ高く見積もられ、施工後すぐに雨漏りを起こすような業者も中にはいます。屋根リフォームを検討する場合は、必ず実績豊富な優良業者を選ぶようにしましょう。

すぐに破損する可能性がある

4つ目はすぐに破損する可能性がある点です。良いリフォームを行ったとしても、その後台風や地震が発生した時に屋根が倒壊してしまう場合もあります。リフォームをしたからといって絶対に安全というわけではありません。万が一の場合も想定し、無理のない範囲で予算を組んでリフォームを依頼しましょう。

 

外壁+屋根リフォーム

外壁リフォーム、屋根リフォームそれぞれについて紹介しましたが、実際にリフォームを依頼する場合、外壁と屋根のリフォームを一緒にする人が多いです。なぜなら、同時に外壁と屋根のリフォームを行うことで、足場代を節約することができるからです。

 

外壁リフォームと屋根リフォームを別の時期に行うと、それぞれのリフォーム工事で足場を組まなければなりません。しかし、外壁と屋根リフォームを一緒にすれば、足場代は1回分で済むため、余分に費用を払う必要はありません。足場代は、1㎡あたり600〜1,000円程度かかってきます。そのため、一般的な坪数である30坪程度の家の場合、足場だけでも15万円かかってきます。外壁と屋根を別々にリフォーム工事をするとトータルで30万円程度かかりますが、同時にリフォームすれば15万円節約できるということです。

 

外壁と屋根リフォームはそれぞれの材料費や施工費がかかってくるため、1度に支払う費用も高く、ためらう人もいるかもしれません。しかし、同時にリフォームを行うことは、トータルで見るとコストの節約にも繋がります。外壁のリフォームを業者に依頼する際は、屋根の点検をしてもらうなどし、必要あれば適切なメンテナンスをするようにしましょう。

外壁+屋根リフォーム費用

外壁+屋根リフォームをする場合、リフォームの内容によって費用が異なってきます。

例えば、外壁も屋根もどちらも塗装工事を行う場合、100〜180万円ほどの費用相場がかかってきます。外壁を張り替えたり屋根カバー工事をするなど、工事内容や家の大きさ、外壁材や屋根材のグレードによっては500万円近くかかってくることもあるようです。

 

また、それに加えて外壁の目地部分にも劣化が発生していればシーリングの補修費用や、構造体の補修費用、アスベストの処理費用などもかかってくるので、1度に大きな費用を負担しなければなりません。

外壁+屋根リフォームの費用を抑える方法

外壁と屋根の2箇所をリフォームするため、外壁+屋根リフォームは高額な費用が発生しやすいです。費用を抑える4つのポイントを解説します。

外壁や屋根の劣化状態に合った塗料を選ぶこと

1つ目は、使用する塗料のグレードと金額を把握して、外壁や屋根の劣化状態に合った塗料を選ぶことです。塗料は種類によって価格が異なります。塗料には、以下のような種類があり、最も安い塗料はアクリルで最も高い塗料は無機塗料です。

 

  • アクリル塗料
  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料
  • 遮熱塗料
  • 光触媒塗料
  • 無機塗料

 

ただ、塗料は金額が高いほど耐久年数も長くて高い耐久性があります。耐久性が高ければ、その分長持ちするためその後のメンテナンス頻度を減らすこともできます。長期的に見た時に、価格の高い塗料を使う方がお得な場合もあるのです。どのグレードの塗料を選ぶかは、家の状態や今後どのくらい住み続けるつもりなのか、予算などを考慮した上で、自分にとって最適な塗料を選ぶようにしましょう。

 

これは、屋根材や外壁材を選ぶ場合にも同じことが言えます。モルタル外壁の場合、目地のメンテナンスがないためその分のメンテナンス費用がかかりませんが、サイディングやALC外壁材の場合、目地のメンテナンスが必要です。外壁の張り替えでサイディングを採用した場合、その後のメンテナンスの際にシーリングの充填や打ち替えを行う必要が出てくることは覚えておきましょう。

助成金や補助金を活用

2つ目は、助成金や補助金を活用することです。外壁+屋根リフォームは、条件を満たすことで補助金や助成金を活用できます。住んでいる自治体によって金額は異なりますが、最大で30万円ほどもらえる可能性もあります。外壁+屋根リフォームを検討する場合、補助金や助成金をもらえるかどうかを事前に調べるようにしましょう。

業者の閑散期に依頼する

3つ目のポイントは、業者の閑散期に依頼することです。リフォーム会社によっては、繁忙期と閑散期によって工事金額が変動する会社もあります。これは、繁忙期には職人を確保することが難しく、納期を調整するために残業代などの余計なコストがかかる場合があるからです。

 

逆に閑散期の場合、職人を確保しやすくなるので残業する必要もなく、その分リーズナブルな料金で仕事を受けられる可能性があります。自社で職人を正社員として抱えている会社の場合、少しでも閑散期にお客様を捕まえて、職人の人件費を確保したいと考えます。そのため、閑散期に依頼する場合、値段交渉もしやすくお得にリフォームすることができる場合もあるのです。

複数業者から見積もり依頼

4つ目は、複数業者から見積もり依頼をして比較し、可能であれば値段交渉をすることです。外壁+屋根リフォームを依頼する場合は、必ず複数会社から見積もりをとって比較し、適正価格を知るようにしましょう。リフォーム会社の一括見積もりサイトを検索し利用すれば、簡単に複数の会社に見積もり依頼をすることも可能です。

 

一括見積もりサイトは、優良業者をたくさん集めているので良い業者とも巡り合える可能性も高いです。サイトの利用自体や見積もり依頼は無料のところも多いので、安心して気軽に利用できます。また、サイトによってはしつこい営業電話などを受ける心配もないので安心して利用できます。複数業者から見積もりを取り、気になる業者がいれば納得のいく金額になるように値段交渉をするのも良いでしょう。

 

例えば、「別のメーカーの塗料に変えた場合どのくらい安くなるのか」や、「閑散期に依頼した場合、安くなるのか」などを業者に質問してみることも重要です。別の塗料に変えることで金額を下げられるなどの話を引き出せる可能性もあります。ただ、むやみやたらに値段を下げた場合、工事の品質が低下する恐れもあるので、業者と相談しながら適切な金額で工事を依頼するようにしましょう。

外壁+屋根リフォームの注意点

外壁+屋根リフォーム工事を行う際にはいくつか注意点があります。

しっかり報告してくれるかどうか

1つ目は、現状の外壁や屋根の状態を診断し、しっかりとわかりやすく報告してくれる業者を選ぶことです。数あるリフォーム業者の中から優良業者を選ぶことはとても難しいことです。業者選びの際は、現地調査を依頼した業者の診断方法や報告の様子をしっかりと観察するようにしましょう。

 

診断結果を伝えなかったり、口頭で簡単に報告するだけの業者の場合、専門知識をあまり持たない可能性があります。診断結果を写真や動画で解説しながら説明したり、一般人でもわかりやすく劣化状況を伝えたりしてくれる業者が良いでしょう。

 

また、劣化箇所に対する対策について報告書を作成してくれたり、屋根リフォームの場合は屋根も診断してくれる業者が望ましいです。そして、外壁や屋根の劣化は、必ず劣化状態を診断できる資格を所有するプロの有資格者に診断を任せるようにしましょう。

見積もりをしっかりと確認

2つ目は、見積もりをしっかりと確認することです。業者が提出する見積書によっては、「外装塗装一式」とだけ書かれていて、材料費にどのくらいかかっているのか、施工費はどのくらいなのか、商品の単価はいくらなのかがわからない見積もりもあります。このような見積書の場合、工事が始まった時に「見積もりに含まれていないから」と追加工事や追加請求が発生する可能性もあります。材料に何が使われているのか、外壁面積や屋根面積がどのくらいなのか、施工にどのくらいかかるのかなど項目をしっかりと分けて書いてるような見積もりを提示する業者が良いでしょう。不明点が1つでもあれば、わかるまで業者に質問するのも重要です。

保証内容を確認

3つ目は、保証がどこまで効くのか契約前に確認することです。屋根・外壁リフォーム後、塗装が剥がれたりといったトラブルが発生することがあります。工事の不具合に対してどのくらい保証してくれるのか、契約前にきちんと確認するようにしましょう。保証は書面で受け取り、内容を説明してもらい、保証の対象も確認しておくことが重要です。

色見本を見て決める

4つ目は、塗装や屋根材・外壁材選びの際は色見本などを見て決めることです。色・材料選びの際には、サンプルや見本を必ず確認して選ぶようにしましょう。色を選ぶ際、近隣の建物とのデザインのバランスや、日の光に当てた時にどのように見えるのかも自分の目で見て確認するのが大切です。

 

また、外壁と屋根のリフォームをする際、別々に色を決めず全体で見た時のバランスを考えて相性の良い色を選ぶようにしましょう。完成した時に「思っていたのと違った」ということにならないように、色や材料選びにはしっかりと時間をかけることをおすすめします。

 

外壁+屋根リフォームの事例紹介

ここからは、外壁+屋根リフォームの施工事例を紹介します。

岐阜県関市 ダイワハウス カラーベスト屋根塗り替え、外壁塗り替え工事

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/116803.html

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こちらの家では、カラーベスト屋根の塗り替え工事を行いました。施工前の状況を確認したところ、屋根の樋先部分にコケがたくさん生えており、見栄えがあまり良くありません。こけが生えるということは、カラーベストの防水機能が劣っているということです。このまま放置すると雨漏りの原因にもなるため、屋根の塗り替え工事を行っていきます。

 

まずは、高圧洗浄でコケや劣化した塗膜を洗い流します。次に、鋼板部分に錆止め塗装をして下塗り、上塗り2回行い屋根塗装工事は完了です。色褪せやコケが目立っていた屋根ですが、塗装工事をすることで綺麗な見た目も取り戻しました。防水機能も復活したので、コケも発生しづらくなっています。

 

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/116802.html

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こちらの家では、外壁の塗り替え工事も一緒に行っています。外壁は、手で触れると白い粉がつくチョーキング現場が確認できました。また、外壁の剥離、シーリング材と外壁との間の隙間も見られ、藻も発生しています。これらの劣化症状を解消するため、外壁の塗り替え工事を行うことにしました。

 

足場を組んだら、まずは既存のシーリングを撤去して新しいシーリング材と充填し隙間を無くします。続いて外壁塗装では、まず下地処理を行い、下塗り、上塗り2回行って完了です。他にも軒天や鼻隠しなどの付帯部の塗装工事も行い、外観の見た目を一新させました。

 

岐阜県関市関ノ上 屋根塗装工事 ソーラーパネル撤去・復旧、サイディング塗装、ベランダ改修・防水工事

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/116454.html

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こちらの家の屋根は、塗膜の退色が目立ち、コケも発生しています。そのため、屋根の塗装工事を行うこととなりました。屋根にはソーラーパネルが搭載されていますが、塗装工事の邪魔になるので一時撤去を行います。その後、高圧洗浄で屋根の表面を洗浄し、鋼板部にケレン処理と錆止め塗装を行います。下塗り、上塗りを2回行い、赤みのある茶色だった屋根を濃いグレーに一新させました。その後、ソーラーパネルの復旧作業を行い、この家のメンテナンス工事の完了です。

 

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/116453.html

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屋根塗装工事に加え、外壁のサイディング塗装工事、ベランダ改修・防水工事も行いました。外壁にはチョーキング現象や塗膜の剥離、ベランダにはコケやカビが発生していました。防水機能が低下しているので、それぞれ塗装工事によるメンテナンスを行います。また、土台水切りや樋、雨戸などの退色も目立つため、合わせて塗装工事を行っていきます。

 

まず、ベランダ床の腐食部の改修です。防水塗膜が劣化していたため、内部の床材が水を吸って腐食していました。そのため、床下地を施工して強度を高めます。その後、下地処理を行って、ウレタン塗膜防水工事を行ってベランダ工事の完了です。

 

その後外壁の高圧洗浄で表面の汚れを洗い流し、シーリング工事を行ってから外壁塗装工事に取り掛かりました。軒天などの付帯部塗装工事も行い、この家のメンテナンスは完了です。施工前はくたびれていた外観ですが、屋根と外壁のメンテナンス工事を行うことで新築時のような美しさを取り戻しています。赤茶色のレンガ調のサイディングはグレーで塗装したことで、シックで落ち着いた印象になっていますね。

岐阜県関市 薄型スレート屋根塗装、外壁塗装 エスケー化研・無機塗料使用

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/115992.html

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この家の屋根は塗装が退色しており、コケも発生しているため屋根塗装工事を行うことになりました。高圧洗浄機で汚れや劣化した塗膜を洗い流し、塗装工事を行いました。濃いグレー色で塗装したことで、重厚感も感じられます。

 

https://www.p-miwa.co.jp/sekou/115991.html

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また、外壁にはひび割れや退色が目立ちます。シャッターボックスや軒天などの付帯部分も退色しているため、外壁と一緒に塗装工事を行っていきます。高圧洗浄の後、外壁と付帯部分の塗装工事を行いました。外壁や樋は、施工前と同系色ですが、屋根先にある破風は白から黒へと色を変えました。破風の色を黒にしたことで、よりシックで落ち着いた印象の外観になっていますね。

 

岐阜県関市 ミサワホームの住宅 スレート屋根塗装、外装リフォーム工事

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この家では、スレート屋根塗装工事を行いました。施工前、屋根の塗装が退色しており、全体的に色褪せていました。塗装が退色すると防水機能が劣化するため、雨漏りの危険性があります。家を長持ちさせるためにも屋根の塗装工事が必要です。

 

まずは高圧洗浄で汚れや劣化した塗膜を洗い流します。新たな塗料を定着させるためにも重要な工程です。続いて、棟鋼板に錆止め塗装をして、下塗り・上塗り作業を行い、外壁塗装工事の完了です。

 

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続いて、汚れが目立っていた外壁、シャッターボックスや樋などの付帯部分のメンテナンス工事です。高圧洗浄で外壁や土間を洗浄し、シーリング材を充填して隙間を埋めます。外壁塗装、付帯部分の塗装も行い、新築時のような美しい見た目になりました。

岐阜県関市 パナホーム(旧ナショナル住宅)カラーベスト屋根塗装、外壁塗装

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この家は、赤みのある茶色の屋根でしたが、退色・塗膜剥離が目立っています。経年劣化により防水機能が低下しているため、コケも発生している状態です。防水機能の低下は屋根の寿命を縮めて、家の寿命にも影響が出るため塗装によるメンテナンスを行っていきます。

赤茶色だった屋根は、濃いグレーに塗装され見た目もガラッと雰囲気が変わっています。

 

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外壁にも退色やホコリなどの汚れが付着しており、劣化状態が確認できます。高圧洗浄で汚れを洗い流し、シーリング工事を行って雨水が浸入しないように隙間を埋めていきます。

 

その後、外壁の塗装工事、付帯部分の塗装工事を行い、リフォーム工事は完了です。外壁はアイボリー色で塗装され、すっきりした印象になりました。

 

まとめ

外壁・屋根リフォームの概要について解説しました。外壁と屋根のリフォームは、マイホームに長く住み続けるためにも必要なメンテナンスです。メンテナンスを怠ると、さらに劣化症状が進行し余計にメンテナンス費用がかかってくる場合もあります。家の寿命を縮めることにも繋がります。外壁・屋根リフォームは、劣化の状態によって必要なリフォーム工事が異なってきます。業者に現地調査をしてもらい、適切なリフォーム工事を行ってもらうようにしなければなりません。適切な金額でリフォームを受けて希望通りの工事をしてもらうためにも、これまで解説した内容を参考にしてみてください。しっかりと情報収集をして優良業者を探しましょう。

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