建設業界の社会保険未加入問題
2017年3月17日(金)
2017年3月17日(金)
建設業界は他業界に比べ著しく社会保険未加入者が多い業界です。
様々な理由はあるのですが、国土交通省はとにかく入れる事を目指しており、すでに公共物件に関しては未加入会社の発注は禁止されています。
未加入会社にとっては外堀を徐々に埋められている状態です。
加入が進まない背景としては請負価格が安いから負担出来ない!ということに尽きますが、未加入のメリットを唱える双方経営者の声はこうです。
□労働者側(好き好んで一人親方)
・単純に実入りが少なくなる。(国民保険料は絶対ですが、雇用保険・労災保険・年金保険を別途ひかれることになります。)
・個人事業主であると言う自由性(独立)、やっただけ実入りが増える。
・先の安心よりまずは今の収入を優先
□会社側
・社員にしない事で仕事が無いときには支出が抑えされる
・負担分は利益になる
ネットで見つけた国土交通省からのお達し
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「建設業における社会保険への加入の徹底に係る注意点について」の冒頭の文に
「建設業においては、少子高齢化に伴う将来の担い手を確保するために技能労働者の処遇を向上」とありますが、処遇を向上する前に会社が疲弊してしまうと言う事も考えられます。
負担の例
給与30万の方の場合、4.5万が会社負担です。約15%
月4.5万*12=年54万 社員5名なら270万、10名なら540万です。
労働者の処遇を向上!の前に会社が存続出来ない場合もありそうです。
社会保険加入を逃れるために一人親方扱いにしてきた会社さんも今後かなり追い込まれるカタチになります。
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3.「一人親方」の取扱いについて
事業主としての一人親方は、個人で国民年金や国民健康保険に加入することになりますが、形式が請負であっても実態が労働者である場合は、労働者として会社が保険に加入させることが必要になります。としています。
まだしばらくは公共工事に限られた話と思いますが、そのうち民間にもおりてくるでしょう。
現在多くの業者が戦々恐々と言ったところですが、
現場で働く職人さん達の安心に家族と暮らす為の基盤として、また地位向上の為にも加入は絶対です。
社会保険未加入の弊害はこんなところにもあります
・住宅ローンが組めない
未加入会社は社会一般的に信用がある会社と見なされないことがあり、それは=安定収入が得られないかも・・・という査定になる為です。
実際にあった話しです。
・縁談がまとまらなかった
もしもの事故・災害時の保証が薄かったり、年金が貰えなかったり、そんな会社に勤めている君にうちの娘はやれない!
これも実際にあった話しです。
社会保険は全ての労働者が安心して働く為の仕組み。
入れないではなく、入る努力をする。
会社の付加価値を高め利益を捻出する必要があると思います。
加入が進まないのはそれもこれも25年以上続くデフレ不況のせいなんでしょうけど・・・
2020年以降の建設業の先行きを不安視する声も聞こえて来ますがそれでもやって行かねば。
国と地方とゼネコン・工務店と1次下請けと2次以下と全員がしっかり連携せねば!
頑張ろう!建設業界!
PS 因みに弊社は20年以上前から社員は全員社会保険加入しているので問題無しです。