新国立競技場
2019年12月15日(日)
2019年12月15日(日)
新国立競技場が完成とのニュース!
オリンピックスタジアムの建設にあたり、ザハ・ハディドの案に決まったのですがコストがかかりすぎるということで白紙になり、
プロポーザル方式で再度コンペが行われ、隈研吾氏+大成建設+梓設計の共同企業体の案に決定。
このスッタモンダ劇が行われたのが4年前、2015年の事。
その後、基本設計を経て2016年に着工し、約3年をかけて今年2019年に完成となりました。
(ウィキペディアには工事進捗状況アルバムが載っていて面白いですよ。)
「杜のスタジアム」というテーマで計画された新国立競技場。
隈健吾氏の設計らしく木の素材を生かした外観です。
先日テレビ番組でも取り上げられていたものを見ましたが、各所に隈氏のこだわりや工夫が見られます。
どんな素材でもそうですが、特に木は雨にさらされると早く劣化してしまうため、
古い法隆寺のような木造建物を参考に、雨にさらされない軒にふんだんに使用することにしたそうです。
見上げると何層にも重なった木の軒が見えるのは、壮観でしょうね。
また、経年した建築で天井材が落下する事故が相次いで問題になったことから、
近年は天井材を無くしても機能するように設計提案する流れになっているそうです。
新国立競技場もこの流れを組み天井材を使用しないため、この木製の軒がデザインとしても生きています。
とある部分では天井の構造材に曲線の照明器具を付け、過去にあった渋谷川の蛍を表現したりもしています。
面白いのは座席シート。
通常のスタジアムのシートはブルーなどの1色のみですが、
新国立競技場では何色もの色がランダムに使用され、絶妙なグラデーションを作っています。
また競技場のトラックのエンジ色も通常より濃い色になるようにしました。
これによって、落ち葉や木々の葉、木漏れ日を表現し、さらには空席が目立たないようにもなっています。
パラリンピックも行われる公共施設ですから、当然ユニバーサルデザインにも特化しており、車いす利用者、視覚障がい者、聴覚障がい者の利用者の為の工夫もされています。
そしてザハ・ハディドの教訓からか建築コストがかからないように工夫され、さらには年間維持費も低コストに抑えられるよう設計段階からいろんなアイディアを盛り込んだそうです。
オリンピックスタジアムなので、聖火台が気になるところですが、まだ情報公開されておらず
何と設計者である隈氏も聖火台がどこに設置されるのか知らされていないのだとか。
そして、なんとなんと隈氏はオリンピックのチケットを申し込んだけど1枚も当たらず、オリンピックを見ることができないそうです。
着工から3年、構想から4年以上の思いを込めた建物の晴れの舞台を見れないなんて!!
新国立競技場、私たちに夢を与えてくれますね。
諸々の提案書や、設計図、写真などはこちらからたっぷりとご覧ください。