帝国ホテル
2021年10月28日(木)
2021年10月28日(木)
本日のニュースで2036年完成予定の帝国ホテルのデザインを
フランス在住の建築家・田根剛氏が担当すると発表されました。
帝国ホテルは1890年開業しました。
近代国家を目指す日本に、海外の賓客をもてなす迎賓館としての役割を担う宿泊施設が必要であると
井上薫や、ご存じ渋沢栄一をはじめとする当時の経済人、政界人たちが発起人となり、
宮内省をはじめいくつかの財閥が出資して建設されました。
鹿鳴館に隣接して建てられた初代帝国ホテルは、ジョサイア・コンドルを師に仰ぐ渡辺譲の設計。
その木造3階建ての洋館は、ジョサイア・コンドル設計の鹿鳴館とともに、当時の近代化の象徴でした。
その後、帝国ホテルといえばフランク・ロイド・ライト。
ライト設計の2代目帝国ホテルは1923年に竣工しました。
当時から、約100年。
一部が移築された明治村でもその存在感たるや!
私の大好きな明治村の大好きな建物の一つです。
フランク・ロイド・ライトは、シカゴで行われた万博で見た日本館からインスピレーションを受け、帝国ホテルの設計にあたりました。
日本館は別名鳳凰殿の名前からわかるように、平等院鳳凰堂を模して造られたものでした。
建物の高さを低く、横にワイドなつくりで、左右対称なデザイン。
完成までに実に4年もの歳月を費やしました。
微に入り細に入りこだわりを持つライトは、外装材のレンガや、石、家具まで妥協を許さないため
当初の予算をはるかにオーバーしたという逸話もあります。
その甲斐あってか「東洋の宝石」と称されるまでになりました。
今、youtubeでバーチャルツアー動画が見られます。
その美しさ、壮大さがよくわかりますのでよかったら見てみてください。
ドラマのような話ですが、1923年9月1日帝国ホテルの披露式当日、関東大震災が起きました。
10万9000棟の建物が倒壊、21万2000棟の建物が全焼、死者・行方不明者併せて10万人を超す甚大な被害。
そんな中、帝国ホテルは倒壊しなかったんです。
その後、老朽化のため1967年に解体、1970年に現在の帝国ホテル本館が竣工されました。
それから50年、この度2036年の完成を目指した計画が始まったわけですね。
今回の4代目帝国ホテルの設計を行う田根氏はライトの「東洋の宝石」を継承し、未来につなげるコンセプトを提案したそうです。
↓ こんなイメージだそうですよ。
15年後、帝国ホテルは再び「東洋の宝石」となるのでしょうか。
非常に楽しみですね。