「自分に嘘のない仕事をする」という精神はどこから来たか?
2025年3月15日(土)

2025年3月15日(土)
今から40年以上前、我が家のトイレは「ボットン便所」──汲み取り式のものでした。
汲み取りに来てくれた業者さんには、母が必ず小銭とお茶かお水を差し出していたのを覚えています。
また、自宅から十数キロ離れた富加町伊深には、正眼寺というお寺があります。
そこから雲水(修行僧)が托鉢に訪れることがあり、その時も母は小銭をお盆に載せて渡していました。
うちの母親は、それはそれは真面目な人です。
そして、とても優しい。庭に咲くたくさんの花々も、全部母が育てたものです。
僕としては「花より大根やネギを植えてくれた方がありがたいんだけどな」と思うこともありますが(笑)
今思えば、あの光景こそが、僕の人間形成のベースになっているのだと強く感じます。
たとえば、僕はコンビニでトイレを借りたら、必ず最低でも水を1本買うようにしています。
一方で、いわゆる“コンビニワープ”を見ると、正直嫌な気持ちになります。
これは実は、採用の面接でも聞くことがあります(笑)。
会社では、トイレ掃除は男子全員で持ち回りです。
以前、掃除を“やったふり”をしていた社員がいて、さすがに激怒しました。
クレームを隠した社員にも、同じく激怒です。
人間ですから、頑張ってもできないことは多々あります。
でも、ズルやごまかしのような「せこいこと」をする行為は、どうしても許せませんし、軽蔑してしまいます。
今の会社の経営方針や大切にしている価値観には、あの頃の母の行動が根底にある気がします。
塗装という仕事は、仕上がった後に「何をどう下地処理したか」、
「中間工程がどうだったか」は、後から見ても全くわからなくなってしまいます。
だからといって、四六時中監督が付きっきりで見るわけにもいきません。
最終的には、その職人一人ひとりの“良心”に任せるしかない──それが塗装の仕事だと思うのです。
だからこそ、塗装職人には、特に「道徳心」が必要なのだと僕は考えています。
「自分に嘘のない仕事をする」。
その精神を持って仕事をしてこそ、信頼される会社であり続けられるのだと思っています。
この木は庭にあるシマトネリコです。
家を増改築したときに植えました。
猛烈な生命力を持つ木で、インターロッキングの床を持ちあげるほどパワーがあります。
かなり思い切った剪定をしても時期が来ると猛烈に葉をつけるエネルギッシュな木で
愛着をもっています。