代表 三輪雄彦ブログ 不易流行

三輪 雄彦
「求む社員さん」〜施工管理という仕事の本質と未来〜
2025年3月26日(水)

1. 若者が減る“現場”のリアル

建設業の現場では、今、若者の姿がどんどん減っています。

特に地方では、進学志向の高まりと都市部への就職希望により、

現場に入ってくる新卒者は極めて少なくなりました。


現場で経験を積みながら、段取りを考え、人を動かし、工事全体をマネジメントする

――そんな施工管理者の道を選ぶ若者が減っているのです。

しかし、現場はなくならない。建物は建ち続ける。

誰かがその現場をまとめ、動かさなければ、街はつくれません。


2. 「ホワイトvsブルー」という誤解

現代では、「ホワイトカラー=頭を使う仕事」「ブルーカラー=体を使う仕事」と単純に区別されがちです。

しかし、現場監督や施工管理の仕事は、そのどちらにも当てはまりません。

確かに、作業着を着て現場を歩き、職人さんと向き合う仕事です。

ですがその本質は、工程・品質・安全・コストすべてを管理し、現場を成功に導く“指揮者”であり、

“プロジェクトマネージャー”です。

現場監督こそ、ブルーカラーの顔をしたホワイトカラーであり、

ホワイトカラーにはできない、現場に立つ力を持った存在です。


3. 頭も体も、心も使う仕事

施工管理の仕事に必要なのは、知識と技術だけではありません。


現場の空気を読む力、職人との信頼関係、計画通りに進まない時の判断力。

図面の中にある“理想”を、現場の“現実”に落とし込む力が問われます。

だからこそ、経験と人間性がものを言う。マニュアル通りではいかない、人間味あふれる仕事です。

そして、それが人を育て、自分自身を成長させてくれます。


4. AIができない仕事

世の中は今、AIが台頭し、ホワイトカラーの多くの仕事が自動化されつつあります。


特に、簡単に覚えられる仕事、簡単にこなせる作業というのは、

最も機械やITに代替されやすい領域です。

最近の若い人たちは、手軽に身につきそうな仕事を選びたがる傾向があるとも言われます。

けれども、そういった仕事こそ、真っ先にAIやシステムに飲み込まれてしまう危うさをはらんでいます。

その点、施工管理の仕事は、現場の人間関係、天候や材料、工程の変化といった

“生きた現実”の中で判断し、指揮を執る役割です。

これは、どんなに技術が進歩しても、人間にしかできないことです。

臨機応変に動き、リーダーシップを発揮し、現場をまとめ上げる。


それが施工管理者という仕事であり、

それこそがこれからの時代における「食っていける力」ではないでしょうか。


5. 施工管理というキャリアの魅力

施工管理は、現場経験が積み上がるほどに価値が高まる仕事です。


どこに行っても必要とされる、普遍的なスキル。

独立、転職、地方から都市、あるいはその逆も選べる“潰しが効く”職種です。

将来、地域が衰退しても、本物の力があればどこでも生きていける。


だからこそ、若いうちからこの道を歩み始める価値があると、私たちは伝えたいのです。