「自社施工だから安い」は、本当にお得なのか?
2025年4月9日(水)

2025年4月9日(水)
「自社施工だから安い」は、本当にお得なのか?
外壁塗装業界ではよく見かけるこのフレーズ。
「自社施工だから中間マージンがかからず安い」「自社職人だから品質が高い」
――そんな売り文句を使っている会社をよく見かけます。
でも私は、こういった発信を見るたびに思います。
“それって、本当にお客様のためになっているのか?”と。
自社施工の定義って、そもそも何?
「自社施工」と一言で言っても、その定義は曖昧です。
たとえば…
- 自社で雇用契約を結んでいる社員職人が施工するのが「自社施工」?
- 長年付き合いのある一人親方に任せるのは「外注」?
- 協力業者とチームを組んで施工するのは「半自社施工」?
現場を知っている人ならわかると思いますが、
一社だけですべて完結する塗装工事なんて存在しません。
足場業者さん、シーリング屋さん、防水屋さん、板金屋さん、左官屋さん…
様々な専門職が関わってこそ、良い工事ができるんです。
下請けだから品質が悪い、は誤解です
「自社の職人は教育されているから品質が良い」
「下請けは質が悪い」…これもよく聞く話ですが、一概には言えません。
実際には、下請けでも素晴らしい仕事をする職人さんはたくさんいます。
むしろ、自社の職人よりもスキルも経験も上、というケースもあります。
大切なのは、“誰が施工するか”ではなく、
「自社施工だから安い」は、本当にお得なのか?
「自社の職人は教育されているから品質が良い」
「下請けは質が悪い」…これもよく聞く話ですが、一概には言えません。
実際には、下請けでも素晴らしい仕事をする職人さんはたくさんいます。
むしろ、自社の職人よりもスキルも経験も上、というケースもあります。
大切なのは、“誰が施工するか”ではなく、“どういう想いで施工するか”です。
“どういう施工管理体制で施工するか” だと思うのです。
「自社施工だから安い」もまた、一面的すぎる
自社職人を雇用するには、給料だけでなく、社会保険、福利厚生、教育コスト、
現場管理体制…多くの費用がかかります。
むしろコストは高くつくこともあります。
一方、下請け業者さんは固定費を抑えて小回りが利く分、
コストパフォーマンスが良い場合も少なくありません。
中間マージンがかかっているようで、実は全体としては安く収まる、ということもあるんです。
だから、「自社施工だから安い」というのは、必ずしも成り立つわけではないんです。
お客様は、ちゃんと見てます
私は思います。
この「自社施工だから安い」というフレーズを、何年も使い続けている経営者は、
消費者の本音を見ていないのではないかと。
今のお客様は、価格の理由も、施工の中身も、ちゃんと調べています。
「安い」だけで選ぶ時代は終わっています。
これからの施工店に必要なのは、“言葉”ではなく“姿勢”
大切なのは「社員職人が施工すること」ではなく、
“誰が責任を持って施工するか” “どういう体制で管理しているか”を、誠実に伝えること。
そして何より、お客様の目線で物事を考えられるかどうか。
私たちは、「自社施工」という言葉に頼るのではなく、
どんな現場でも、誠実に・確実に・責任を持って仕事をする。
その積み重ねこそが、信頼を生み、次の仕事に繋がっていくのだと信じています。