2023年12月13日(水)
脇屋友詞氏の「厨房の哲学者』読みました
脇屋友詞氏の「厨房の哲学者』読みました。
面白くって2晩で読めました!
中卒15歳、易者であった父親の言うがままに入れられた中華料理店では
意義すら全く見いだせない、辛い鍋洗いが・・・
そこから始まる50年もの長きに渡る中国料理道をきわめんと突き進んだ自叙伝です。
辛く過酷な鍋洗いに一つの光を見出せたことが 脇屋友詞 氏のその後の命運を分けた。
夢を掴む人は幸運か?才能か?わかりませんがその小さな光を掴む力があるんだろう。
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文中
夢が無くても、心配することはない。
何かにがむしゃらに打ち込む間に、見えてくる夢というものは確かにある。
実はそういう夢の方が多いのではないか。
いや、そういう夢こそがほんとうの夢なのではないか。
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大きな夢、立派な夢、誰もがうらやむ夢、あるかと思いますが
多くの人にはそのような夢は叶う事はありません。
大人は子に自分も敵わなかった夢を「ドンドン夢を追いかけろ!」とは些か無責任な話。
世の中は厳しいんだ!と言うことを教えない、
自由奔放に!というある意味の無責任な放任主義の大人、親が多い気がします。
終わることのない鍋洗いから始まった脇屋氏の社会人生活は
腑に落ちない、理解出来ないことばかりだったと思いますが、
両親や先輩や同僚になだめられ、指導され、時に叱咤されながら
導いてもらった環境があったのは大事だなと思いました。
現在ハードワークに批判的なご時世かもしれませんが、
そこから生まれてくる何かが、人生の柱になっていくのは間違いないと思います。
自分の20代、いつも先輩に相談しなだめられていたことを思い出します。
過去の経験から激しく同意しました。
「お前の夢はなんなんだ!」と聞かれてもよくわかりませんが、
存在する使命のようなものはしっかり考えながらやっているつもりです。
もしかしたらそれが夢であり、まだ追ってる最中と言えるかもしれません。
昭和の職人の匂いがプンプンする自叙伝ですが
今の若い方々、親さん、大人にも是非読んで頂きたいと思いました。