冬の建物 結露のお話 part2
2022年2月16日(水)
2022年2月16日(水)
先日湿気を帯びた暖かな空気が冷やされ、飽和水蒸気量が低下するため結露が発生するお話をしました。
今日はその勢いで結露のお話パート2。
今回は外壁内部に起きる目に見えない結露のお話。
壁内で何が起こっているかは見えない、わからない、不安ですよね。
前回もお話ししたように、結露は湿度と温度差で発生します。
たいていの住宅では外壁材から内壁材までの間に、断熱材や通気層などが存在しています。
順序としては以下の通り
屋外:サイディング →胴縁及び通気層 →防水紙 →構造用合板 → 柱及び断熱材 →合板 →クロスなどの仕上げ材 :室内
この屋外と屋内の温度差が大きく湿度が高いと、(冬・夏を問わず)通気層や断熱材のある壁内で結露が生じます。
断熱材が隙間なく詰めてあれば結露も生じにくいのですが、なかなか隙間なく詰めることの難しい部分もあります。
そのため、断熱材部分での結露が起きる可能性あります。
断熱材部分での結露発生は、断熱材やその周辺の構造材が吸水し、カビなどが発生したり、シロアリ被害にあったり、
木材であれば腐る、鉄骨であればサビが発生するなど、建物の体力が落ちてしまいます。
通気層部分では、外気が流れるため防水紙の部分で結露が発生する可能性があります。
しかし通気層部分での結露発生は、空気が流れているということ、さらに防水紙を伝って水の排出先があるということで、
断熱材部分での結露発生に比べ危険度は低いといえます。
しかし、これは通気工法の住宅のお話で、古いお宅では直貼り工法といわれる、通気層を設けず、防水紙の上にサイディングを直接貼り付ける工事も行われていました。
この直貼り工法のお宅では、わずかな隙間に発生した結露をサイディング材が吸水するため、
サイディングの反りや割れ、層間剝離などが発生しやすくなります。
直貼り工法のお宅では、塗装も可能ですが、今後長く住まう予定であれば、胴縁と外壁材を貼るカバー工法により、通気層を設けることをお勧めします。
番外編として、外壁ではなく、換気ダクト部分で結露が発生することもあります。
ダクト内と天井裏の温度差が生じると結露が発生します。
具体的には、夏場にエアコンで冷えた空気と天井裏の暖かい空気の温度差により、ダクト周辺に結露が生じます。
これにより、周辺の天井材や、構造材が湿ってしまうこともあります。
逆に冬場にはダクト内に結露が発生しやすい状況となりますので、ダクトは断熱材が巻いてあると理想的ですね。
そんなこんな、結露のお話でした。