岸辺から建築談義
2024年6月29日(土)
2024年6月29日(土)
みなさん突然ですが「岸辺露伴は動かない」はご存じでしょうか?
私は漫画もアニメもわからないのですが、ドラマで楽しませてもらっています
独特の世界観で引き込まれてしまいます
そして、このドラマの主人公である岸辺露伴が暮らす邸宅がなかなかすごい建物だなアと毎回見とれておりました。
今回はこの建物をめぐり、つれづれしたいと思います。
先日、NHK「鶴瓶の家族に乾杯」にて、「岸辺露伴は動かない」の主演俳優高橋一生さんが、そのドラマロケ地である邸宅を見に行っており、
神奈川県の葉山にあることを知りました
調べてみると、現在は「葉山加地邸」として、国の指定登録有形文化財でありながら宿泊の受け入れや、レンタルも行っている施設となっています
この邸宅、三井物産初代ロンドン支店長を務めた加地利夫の別邸として、1928年遠藤新が設計した建物です
遠藤新は(現在は明治村に移築されている)2代目帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトの弟子です
遠藤新自身も帝国ホテルの建設に携わりました。
他にもライトの設計と言われる自由学園明日館を、実はライトと共作していたり、旧山邑邸(現ヨドコウ迎賓館)もライトの意思を継ぐ形で建築に携わっているので、日本のフランク・ロイド・ライトと言っても過言ではない人です
この加地邸がライトのプレーリースタイルを踏襲した、水平線が強調されたデザインなのも納得です
石積外壁が印象的な玄関アプローチ(ドラマではいつもここで露伴と編集者が押し問答をしています)は大谷石を使っているそうです
また、室内の家具や照明も建物に合わせ遠藤新みずから設計したそうです
当時の住宅としてはめずらしかったと思いますが一部鉄筋コンクリート造
コンクリートの寿命が60年程度であることを考えると、加地邸は寿命越えなのですが、耐震工事などを行っているのかもしれません
この加地邸、実際にお目にかかりたいものですが、歴史的価値と、葉山というお土地柄と1日1組限定というサービスなど諸々の事情でしょう
お宿泊費が高い・・・
私には手が出ませんでした
遠藤新は1889年生まれ、1951年に死没しています
なので遠藤新が設計した建物の多くは現存していません
しかし!私は遠藤新の設計した豊年虫という長野県にある宿泊施設を以前利用していました(当時のブログはこちら)
当時勉強不足で行ったことを後悔しています
でも日々の現実を忘れられる素敵な空間だったのを覚えています
またお金を貯めて行きたいものです