2024年1月23日(火)
岐阜県の建築家 坂倉準三氏
先日NHKの日曜美術館で、坂倉準三氏の特集をしていたので、視聴しました。
建築の勉強をしている方もそうでない方も(?)聞き覚えのある名前ではないかと思います。
私も、「坂倉準三ねー」と知ったかぶっていたのですが、ん?何作った人だっけ?と思い、視聴するに至りました。
NHKの日曜美術館のタイトルが「戦後新宿・渋谷をつくった建築家 坂倉準三」。
新宿?渋谷?の何の建物?
何と、新宿駅西口広場や渋谷の東急会館、東急文化会館。京王帝都電鉄渋谷駅、国鉄渋谷駅西口ビルを設計。
建物を設計するいうことを超えて、建物とそれをとりまく環境を設計し、人の流れを生み出した人でした。
スゴイ!スケールがでかすぎる。
板倉準三氏は岐阜県羽島郡の酒倉の家に生まれた方で、この地域の方だったとは知りませんでした。
そして、東京帝国大学、パリ工業大学で学び、近代建築の3台巨匠の一人ル・コルビュジエの下で働きました。
昭和12年のパリ万博で日本間を設計し、建築部門でブランプリ獲得、世界に知られる建築家となりました。
この時、坂倉氏35歳。
ここから1969年、68歳で亡くなるまで多くの設計をしました。
先に挙げた新宿西口広場や、渋谷の数々の建物、美術館、博物館、学校、庁舎、などなど。
坂倉氏の設計した建物は、築50年以上となるため、老朽化が激しく、時代の流れとともに現存しないものが多くあります。
新宿西口広場、渋谷の建物群も再開発で消えていきました。
放送では現存する神奈川県鎌倉市の神奈川県立近代美術館や、
三重県上野市の坂倉氏が設計した旧庁舎を残そうと、現代に合わせた改修の取り組みを見ることができました。
岐阜県内では坂倉氏の手掛けた建物は岐阜市市民会館、羽島市庁舎が代表的です。
岐阜市民会館は、古いながらも現在も使用されていますよね。
羽島市庁舎は保存の動きもありましたが、築60年以上経ち耐震改修などを行う必要があり、
これに17億円という莫大費用が掛かかるということで、昨年末羽島市が解体を決定したそうです。
近代建築の記録・保存を目的としたDOCOMOMOという世界的組織の日本支部DOCOMOMO JAPANが選定した建物に選出されている建物だというのに、うーん残念。
ドローンによる空撮や3D技術も進歩しているので、そういった形で残していくのでしょうね。
TVや建物写真を見るだけでも坂倉氏の建築は、坂倉準三という個の強調はなく、建物を使用する人のための建築だという気がしました。
だからこそ、現存するうちにぜひ体感したいです!