外壁塗装リフォームにかかる費用の相場はいくら?工事の知っておくべきポイント
戸建て住宅の外壁リフォームを考える際、最も気になるのが費用です。外壁は紫外線や雪などの厳しい条件に晒され続けているため、定期的なリフォームや補修が必要です。住まいを美しく保つだけでなく、耐久性や防水性を高めるためにも重要な工事です。その費用にはどのような相場があるのでしょうか?外壁リフォームの費用は気になるところでしょう。
本記事では、外壁リフォームの費用相場と知っておくべきポイントについて詳しく解説します。さらに、外壁リフォームの種類や費用を抑える方法についてもご紹介します。外壁のリフォームを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
あなたの外壁はどの外壁?
外壁リフォームの費用のお話に入る前に、外壁にはさまざまな種類があります。種類によって、リフォームのやり方や金額も変わります。まずは、あなたのお家の外壁はどれに当てはまるか確認してみましょう。
サイディング
サイディングとは、外壁に張る板状の建材のことです。サイディングは、4つのものに分けられます。
窯業(ようぎょう)系サイディング
セメントと木質系の繊維を主原料とした混合原料で成型したサイディングのことです。製造過程の中で、窯で高熱処理されるため、窯業と言われるようになったようです。日本で使われるサイディングの約8割がこの窯業系のサイディングです。
他の外壁材よりも費用が安く抑えることができ、デザインも、タイル柄や木目調、レンガ調など豊富にあることが特徴です。さらに、耐火性や耐震性にもある程度の性能を有しているので、バランスのいい外壁材と言われています。
窯業サイディングで重ね張りをする場合には、およそ1㎡あたり3,000円〜になります。張り替えをする場合には、およそ1㎡あたり5,000〜になります。
金属系サイディング
柄付けされた金属の板と断熱効果のある裏打材によって構成されているサイディングのことです。表面の素材には、
- 塗装ガルバリウム鋼板
- 塗装溶融亜鉛めっき鋼板
- アルミニウム合金塗装板
- 塗装ステンレス鋼板
このいずれかが使用されています。このサイディングは、塗装仕上げが不要で、軽くて断熱性に優れているのが特徴です。さらに、省エネの効果もあり、ひび割れや凍害の心配がありません。
金属系サイディングで重ね張りをする場合には、およそ1㎡あたり4,000円〜になります。張り替えをする場合には、およそ1㎡あたり同じく4,000円〜になります。
木質系サイディング
無垢の板材で表面を加工し、耐火性などの機能を付加させたのが、木質系サイディングです。機能面の防火性では、窯業系サイディングや金属系サイディングよりも劣ってしまいますが、熱を吸収しにくいので、表面温度が上がりにくく、断熱性には優れています。
自然の木目が美しく出るので、見た目を重視する方にはおすすめのサイディングです。ただ、機能面が他のサイディングよりも低いので、全体的に使用するのではなく、家の一部や部分的に使用する方がより美しく見えると思います。
木質系サイディングで重ね張りをする場合には、およそ1㎡あたり6,000円〜になり、張り替えをする場合には、およそ1㎡あたり同じく6,000円〜になります。
樹脂系サイディング
プラスチックの仲間である、塩化ビニル樹脂が原材料になっているサイディングです。耐久性が高く、凍害などにも強いので、北海道や北陸などの寒冷地ではおすすめの外壁です。ただ、日本でのシェア率はまだ1%程度と、かなり低いため、取り扱っている業者も多くはありません。
樹脂系サイディングで重ね張りをする場合には、およそ1㎡あたり9,000円〜になり、張り替えをする場合には、およそ1㎡あたり同じく9,000円〜になります。
木製羽目板
羽目板とは、壁や天井に張る無垢の板のことで、パネル式に連続して張ることのできる板です。連続して張る羽目板の外壁は、定期的なメンテナンスやお手入れがされていれば、耐久年数は100年も持つと言われています。しかし、無垢の板なので、年月の経過とともに、色褪せや反り、カビや腐蝕などの恐れがあります。
人工的なサイディングや金属製の外壁とは違って、自然的な美しさを持つので、外壁にもこだわりたい人は羽目板がおすすめですが、お手入れが大変ということをしっかりと理解しておくことが重要です。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、金属素材の一種で、外壁のほかに屋根にも使われる素材です。耐用年数が長く、金属素材でありながらも、さびにくいのが特徴です。最近の新築では、人気が高い外壁材で、外壁にガルバリウム鋼板を採用するお家が増えてきました。見た目がよくてかつ性能もいいガルバリウム鋼板は、商品によっては、へこみやすく、車やボールなど当たっただけで凹んでしまうこともあるので、注意が必要です。
ALC
ALCとは、コンクリートの一種です。内部に気泡を多く含んでいる素材なので、遮音性に優れて、とても軽量です。さらに、耐震性、耐久性にも優れた素材になっています。住宅の外壁で使われるほか、高層ビルでも使われるほど、性能が高い外壁です。しかし、気泡を多く含む性質上、吸水性が高く、北海道や東北などの寒冷地では、ひび割れを起こしてしまったり、凍害が起きてしまう可能性もありますので、住む環境によって、使用を見極める必要があります。
タイル
外壁に使われるタイルは、土や石、粘土などを高温で焼き固めたものになります。重厚感や存在感がとても強いので、他の家と差別化したい、より高級感を出したいという方は、タイルを選ぶといいかもしれません。また、タイルは、非常に丈夫で、傷が付きにくいので、長年美しさを保つことができます。
ただ、タイルの外壁は、他の外壁に比べて施工技術が高くないと浮きや剥がれが起きてしまうので、施工費用が割高になる傾向があります。
塗り壁
塗り壁は、モルタルを下地として塗装をしたり、模様をつけたりする外壁です。サイディングとは違って、職人が手作業で塗っていくため、塗り方によってオリジナルの外壁にすることが可能です。また、塗り壁には、モルタルのほか、砂や水を使って仕上げているため、防火性に優れています。
ただ、塗り壁は手作業のため、工期が長くなってしまうため、費用が高くなることもあります。さらに、季節によって表面のひび割れを起こしてしまったり、職人の腕が悪いと、見た目が悪く仕上がってしまうこともあります。
コンクリート
コンクリートの外壁は、コンクリートを型枠に流し込んで形成した外壁です。防音性や遮音性に優れており、耐久性もとても高いです。型を作ってしまえば、どんな形でも成型可能なので、曲線の外壁でも実現できます。
しかし、他の外壁材に比べて、かなりの重さがあるので、その重さに耐える地盤が必要です。地盤が弱い場合には、地盤改良をする必要がある場合があります。また、コンクリートの性質は、圧縮する力には強いですが、引っ張る力には弱いため、ひび割れが起こりやすいです。ひび割れが起きて、雨水が内部に浸入してしまうと、躯体内の鉄筋に水が回り、中性化が起こって錆が発生してしまいます。錆が発生してしまうと、鉄筋が膨張してしまうので、外から鉄筋が見えてしまうこともあります。
外壁リフォーム工事の種類と費用の目安
次に、外壁リフォームの工事の種類と費用について解説します。外壁リフォームには、主に以下の3つの工事方法があります。
補修は30~40万円
1つは補修です。外壁のひび割れや剥離、目地割れの補修工事などです。補修の程度や範囲、施工箇所にもよりますが、シーリング補修の場合、工事費用はおよそ30〜40万円程度が目安です。
見た目が、軽度のひび割れであっても、場合によっては、大きなひび割れに進行してしまったり、意外と深いひびが入ってしまっていたという場合があるので、外壁塗装の専門会社に一度見てもらうことをおすすめします。
補修くらいであれば、ご自身でDIYでできることもありますが、対応のやり方次第で、雨漏りや倒壊のリスクを高めてしまう恐れがあるので、お早目にご相談していただくのがいいかと思います。
塗装は100万円前後
2つめは塗装です。塗料を塗ることで、防水機能を持たせたり、建物を保護したり、美観を保つ役割を果たします。塗装の費用は、建物の大きさや、劣化の状態、仕様する塗料の材料などによって金額が変わってきますが、一般的によく使われる耐久性5~7年のシリコン樹脂塗料で150㎡の外壁塗装の場合、足場代を含めて100万円前後が目安になります。
アクリル塗料
アクリル塗料は、1㎡あたり1,000〜2,000円と、安価ですが、耐久年数は3〜8年と短いので、頻繁に塗り替える必要があります。リフォーム費用が安く抑えられる塗料としては最適ですが、数年しか持たないということをしっかりと理解したうえで、使用するといいでしょう。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、1㎡あたり1,500〜2,500円とアクリル塗料と同じく安価なので、一昔前までは、外壁塗装の主流の塗料でした。いまは、ウレタン塗料よりも耐久性が高く、値段も手ごろなシリコン塗料が出てきたので、ウレタン塗料はあまり使われなくなってきています。
シリコン塗料
シリコン塗料は、1㎡あたり2,000〜3,500円と、手に入りやすい価格帯でありながらも、一定以上の耐久性や耐候性があるので、性能と価格のバランスが取れたいい塗料になります。どの塗料を選べばいいか分からないという方は、とりあえずシリコン塗料を選んでおけば、間違いなしです。塗料選びに時間をかけたくなければ、シリコン一択でしょう。
フッ素塗料
フッ素塗料は、1㎡あたり3,000〜5,000円で、ウレタンやシリコンよりも高価な塗料になります。ですが、耐用年数が12〜15年と耐久性が高いので、長い目で見ると、メンテナンスがかからないので、安く抑えられるかもしれません。
無機塗料
無機塗料は、1㎡あたり3,500〜5,000円で、塗装費用だけ見ると割高に見えますが、長期スパンで考えると、お得になる可能性があります。無機塗料は、紫外線によって分解されない性質を持った成分が入っているので、紫外線のダメージを受けにくく、高い耐久性をもっているのが特徴です。
光触媒塗料
光触媒塗料は、1㎡あたり 4,000〜5,000円で、光を利用して化学反応を促進させた塗料のことです。光触媒塗料に含まれている酸化チタンが紫外線を浴びることによって、外壁に付いた汚れを分解し、そこに雨が当たると、汚れを洗い流してくれます。さらに、フッ素塗料と並ぶほどの耐久性を持つので、長く美しい外壁を保つことができます。高価ではありますが、寿命が長く、長持ちする素材なので、この塗料を選択するということもありだと思います。
新調(張り替え、重ね張り)は150~280万円
3つ目は新調(張り替え、重ね張り)です。張り替えの場合、既存の外壁材を撤去し、新しい外壁材を設置するやり方で、重ね張りは、既存の外壁に新しいサイディングを重ねてカバーするやり方です。
張り替えリフォームの場合、既存の外壁を撤去する手間が増えるため、重ね張りリフォームよりも費用が高くなります。張り替えは、およそ200〜280万円が相場とされており、重ね張りは、150〜240万円が相場とされています。
ひび割れなどの補修だけで改修できる外壁の場合は、新調する必要はないですが、外壁が激しく剝がれていたり、ボロボロと崩れてしまっている状態や、反り返ってしまっている状態の場合は、新調して交換する張り替えもしくは重ね張りすることをおすすめします。
張り替えのメリット
張り替えのメリットをご紹介します。
- 張り替えの場合、新しい外壁になるため、長く安心して暮らすことが可能になる
- 古い外壁を撤去するため、壁の内側の下地の部分もメンテナンスをすることができる
- 軽い外壁材に変えることで、耐震性を高め、地震に強い家にすることができる
- 今までの外壁とは異なるデザインや材質にすることで、家の外観が一新できる
張り替えのデメリット
張り替えのデメリットをご紹介します。
- 今までの外壁を解体したり、撤去する必要がある大規模な工事のため、費用が高額になる
- 大規模な工事になるので、工事の期間が長くなる
- 既存の外壁を撤去したり、解体する際に廃材が出るため、その処分費用がかかる。とくにアスベストを含むサイディングの場合は、高額になる傾向がある
- 築年数や建物の構造や材質によって、外壁の選択肢が限られる場合もある
- モルタルやコンクリートの外壁の場合は、張り替えができない場合もある
重ね張りのメリット
重ね張りのメリットをご紹介します。
- 既存の外壁の上に重ねて張るため、解体や撤去の費用がかからなくて済む
- 重ねて張る工事のため、工事の期間が短い
- 外壁が二重になるため、断熱性と遮音性が高まる
- 廃材が少なく、断熱性能が高まるので、地球に優しい家づくりになる
重ね張りのデメリット
重ね張りのデメリットをご紹介します。
- 外壁の劣化状況によっては、重ね張りができない場合もある
- 外壁の重量が増すため、地盤が弱いと耐震性が低くなることもある
- 重ね張りできる外壁材は、ほぼ金属に限られてしまうこともある
外壁リフォーム工事はどれを選べばいい?
外壁リフォームの工事は、「補修」「塗装」「新調(張り替え、重ね張り)」があるとご紹介しましたが、自分たちの家では一体どれを選べばいいのか?と悩んでいる方に判断基準に関して解説したいと思います。
プロの意見を尊重すること
外壁塗装のリフォームでは、一概には「築何年の場合はこのやり方が一番いい」と断言できない場合が多いです。築年数で判断するよりも、外壁の劣化状態やご自身が優先したいことや予算などを合わせて、プロがどの工事が最適かをご提案させていただきます。
予算があまり出せないから、補修だけでいいとか、重ね張りでいいなどご自身だけの判断で工事依頼をしてしまうと、工事をやったせいで外壁の状態が悪くなってしまう可能性も無きにしも非ずなので、必ずプロの意見を尊重するようにしましょう。
塗装は10年サイクル
一般的に、外壁塗装は10年で1度塗り替えしたほうがいいと言われています。塗装をする外壁の素材にも異なりますが、耐久性や防水性などの建物性能の維持の目的や、美観維持の意味合いから、塗り替えは10年に1度を目安に行うことをおすすめします。
張り替えか重ね張りか?
張り替えしたほうがいいのか、重ね張りで済むのか、どっちがいいのか悩む場合があります。張り替えの方が費用が高くなるので、重ね張りで済ませようと思う方もいますが、外壁の状態や劣化具合によっては、重ね張りが施工できないということもあります。また、既存の外壁の素材によって、張り替えができるもの、できないもの、重ね張りできるもの、できないものがあるので、プロと相談しながら決めるといいと思います。
外壁の劣化具合でおおよそ費用が把握できる
外壁の劣化具合で、どの工事をしてどのくらいの費用がかかるだろうとある程度予想ができるようになるポイントをご紹介します。
補修で収まる場合
小さなひび割れや剝離、外壁を触ったときに手に粉がつくチョーキングや、シーリングの劣化がある場合、補修をする費用はおおよそ80万円未満です。
また、補修した場合、耐用年数は、おおよそ5年までになります。長く住む予定はない、その瞬間だけキレイに見えればいいという場合には、補修だけの選択を選んでもいいかもしれません。
塗装が必要な場合
外壁を触った時に手に粉がつくチョーキングや、軽度のひび割れ現象や剝離、色褪せや汚れが発生している場合には、塗装をする必要があります。その時の費用は、おおよそ80万円以上になるでしょう。
また、塗装した場合、耐用年数はおおよそ15年までです。とりあえず10年くらい持てば大丈夫という場合には、塗装だけでも十分かと思います。
新調が必要な場合
もう全部張り替えないと危険な状態、重ね張りしたいという場合には、おおよそ150万円以上かかるということを覚えておきましょう。
また、新調した場合、耐用年数は、おおよそ30年以上になります。30年以上その家に住む予定がある、息子にこの家を受け継ぐ予定があるという場合には、新調することがおすすめです。
外壁塗装は見えない部分が多いので、自分では判断がしにくいものです。補修がいいのか、塗装がいいのか、新調がいいのか判断がしにくい場合には、プロにお任せしたほうが早い場合がありますので、専門の業者に診断を依頼してみましょう。
外壁にこんなサインが出たら外壁リフォームの時期
定期的にメンテナンスをする必要がある外壁ですが、一体どのような症状が外壁に現れたら外壁リフォームを検討したらいいのでしょうか。劣化が進むと外部からの影響により、さまざまな傷みが外壁に現れてきます。外壁にこんなサインが出たら、リフォームを検討したらいいというポイントを解説します。
外壁の色が褪せている
外壁の色が新築の時と比べて、色が薄くなった、変色したなと感じたら、色が褪せていることを認識しましょう。外壁の色あせは、塗膜の劣化がはじまっている証拠なので、塗り替えを検討していい時期になります。10年よりも早く塗り替えをする必要はないかもしれませんが、色褪せを塗り替えの目安として覚えておくといいでしょう。
外壁の色が変わってしまう原因として、顔料に含まれる酸化チタンという成分が原因です。これは、日の光に当たると、塗膜を破壊するラジカルという劣化因子を発生させてしまいます。このラジカルが発生すると、塗膜が劣化し、外壁の色が褪せて見えてしまいます。
このラジカルが発生してしまう酸化チタンという成分は、どの塗料にも含まれているので、完全に色褪せしない塗料を選ぶことは不可能ですが、最近では、ラジカルの発生を抑制する機能を持った顔料の酸化チタンも開発されているので、最新の塗料を選ぶといいかもしれません。
色褪せしにくい色
色褪せしにくい色は、「白」と「黒」です。
白の塗料には、酸化チタンという成分が入っており、高い隠蔽力を持っているのが特徴です。さらに、無機顔料なので、化学変化も起こりにくく、色褪せがしにくいです。ですが、白なので、汚れが目立ちやすいというデメリットもありますが、お手入れを定期的にしてあげることで、解消されますので、白の外壁を選んだら、定期的にメンテナンスをしてあげましょう。
黒の塗料には、カーボンブラックという成分が入っており、着色力が高いのが特徴です。黒もまた無機顔料なので、色褪せがしにくいです。しかし、黒もまた水垢や砂埃などの汚れが目立ちやすいので、白の外壁と同じく、お手入れが必須です。
色褪せしにくい塗料
色褪せしにくい塗料は、「超低汚染リファイン1000MF-IR(株式会社アステックペイント)」と「パーフェクトトップ(日本ペイント株式会社)」です。
超低汚染リファイン1000MF-IR(株式会社アステックペイント)は、無機成分を配合したフッ素樹脂系塗料なので、通常の塗料より高い耐候性を持っており、色褪せがしにくいのが特徴の塗料です。また、ラジカルの発生を抑制する酸化チタンを使用しているので、塗膜の劣化による色あせを防いでくれます。
パーフェクトトップ(日本ペイント株式会社)は、紫外線による塗膜劣化対策として、ラジカル制御技術により、優れた耐候性を持っているのが特徴です。さらに、高光沢を実現できるので、キレイな仕上がりになる塗料です。
外壁に触れると粉がつくチョーキングが起こる
外壁に触ったときに、手に白い粉のようなものがついた経験はありませんか?これは、チョーキング現象と言い、紫外線や直射日光、雨風などの原因で、外壁の塗料の表面が劣化し、粉が吹いてしまう状態です。放置していると、ひび割れやカビの発生などに発展してしまう場合があるので、早めのメンテナンスがおすすめです。チョーキング現象が起きていないか、一度あなたの外壁を手で触って確かめてみましょう。
外壁に使われている塗料は、本来は粉末状の物質になります。顔料にシリコンやウレタン、合成樹脂や添加剤などを混ぜ、水やシンナーで薄めることによって、外壁に使われる塗料になります。太陽の熱や雨、風を受けていると、外壁の塗料は徐々に分解されて、劣化していきます。そうなると、塗料に含まれる酸化チタンが粉状に戻ってしまうため、手に触れると粉がつくチョーキングが起こるのです。
外壁の一部が剥がれている、膨らんでいる
外壁の塗膜が剥がれていたり、膨らんでいる状態ではありませんか?これも外壁の劣化が起こっている証拠です。紫外線や雨風の原因で、塗膜が剥がれたり、化学反応で膨らんでしまう現象が起きてしまいます。放置してしまうと、外壁の内部に雨水が入って、ひび割れを起こしてしまうので、こちらも早めの対応をおすすめします。
外壁にひびが入っている
外壁のひび割れのことをクラックと言います。覚えておきましょう。このクラックの幅が0.3㎜未満のものをヘアークラックと言い、0.3㎜以上のものを構造クラックと言います。0.3㎜以上のクラックがある場合には、早急に外壁のリフォームを検討する必要があります。
クラックが起きやすい箇所
住宅のひび割れが起きやすい箇所についてまとめますので、ぜひあなたの家をくまなく確認してみてください。
【窓付近】
窓や玄関の扉、勝手口や開口部分は、ひび割れが発生しやすい部分になります。地震の揺れや窓やドア、サッシの開け閉めの振動によって、外壁に負担がかかり、ひびが入りやすいです。とくに、窓の角から真下に伸びているひびがある場合には、雨水の浸入量が多くなる可能性が高いので、注意が必要です。
【シーリング】
サイディングの外壁には、開口部分や板材間の目地、柄が異なる部分などに、シーリングというものが使われています。シーリングは、建築で広く使われている充填剤のことで、隙間や目地、部材同士の取り合い部分を埋める役割があります。このシーリングは、外壁材よりも劣化しやすく、ひび割れも起こりやすい素材になります。サイディングは無事でも、シーリングがボロボロという場合が多いので、注意が必要です。
【増築や減築したときの継ぎ目】
家族のライフスタイルや家族構成の変化に合わせて、家もリフォームして変えることがあるかと思います。その時に、減築や増築すると、壁を継ぎ足したり、換気扇や開口部分の位置を変更したり、壁をふさいだりすることがあります。その時に、ひび割れが発生しやすくなります。継ぎ目はとくにひび割れが起きやすいので、防水処理がしっかりとできているかどうか確認しましょう。
【壁の中心】
モルタルの外壁の場合、開口部の少ない面や広い壁面の壁の中心から全体にかけてまんべんなくひびが発生してしまうことがあります。施工不良や地震など原因は様々ですが、新築から10年以下の場合でも、全面的にクラックが見られる場合もあります。とくに、軒がない家の場合、雨風のダメージを直で受けてしまうので、一刻も早く改修することをおすすめします。
外壁リフォームにかかる費用の注意点
外壁リフォームの費用には、いくつかのポイントに注意が必要です。
選ぶ外壁材や塗料の種類によって費用が変動する
サイディング材は様々な種類があり、単価も異なります。例えば、木質系サイディングやセメント系サイディングなど、それぞれの材料によって価格が異なります。また、塗料にもさまざまな種類があります。防水に特化した塗料、耐久性が高い塗料などさまざまで、塗料によって価格が異なります。そのため、自分の希望や予算に合った外壁材や塗料を選ぶことがとても重要です。
想像以上に改修すべき部分がある
はじめて塗装会社に見積もりを依頼すると、想定以上の外壁塗装工事費用に驚く方もいるのではないでしょうか。そんなに改修する部分が多くないだろうと思っていても、実際に現地調査をすると、修理すべき部分が見えてきます。外壁はとくに見えない部分がたくさんあるので、劣化に気づかないことがありますが、ちゃんと調べると、修正すべき部分がどんどん出てきます。中途半端に改修をすると、逆に変になってしまったり、より劣化が進んでしまったりということがあるので、予算とのバランスを見ながら、改修すべき部分を見定めましょう。
外壁塗装の施工事業者によって価格が異なる
外壁リフォームの工事業者によって提示される価格が異なります。ですので、外壁塗装の価格が、いくらで適切なのかどうかは、1社の見積もりを見ただけでは、判断ができないと思います。
また、工事費用だけではなく、品質や保証内容も会社によってさまざまですので、複数の塗装会社から見積もりを取り、工事費用や保証内容など十分に比較検討をする必要があります。複数の塗装会社を比較することによって、料金の高い安いが判断できるようになり、どこの項目を安くして、どこを上乗せしているのかも分かるようになります。費用の相場感覚が養われるので、冷静に依頼先を選ぶことができます。
外壁リフォームの費用を抑える方法
次に、外壁リフォームの費用を少しでも安く抑える方法をご紹介します。外壁リフォームは、100〜300万円近い買い物になるので、できるだけ出費は抑えておきたいと思う方が多いと思います。費用を抑えるために、今からできることと、これからできることをご紹介します。
メンテナンスを欠かさない
今すぐにできることは、外壁のメンテナンスを欠かさないことです。数年ごとに外壁の点検をして、窓枠や外壁材のつなぎ目などにひび割れなどが起きていないか確認しましょう。自分で補修ができそうな部分であれば、定期的に補修を行い、メンテナンスをするように心がけましょう。
相見積もりをして比較すること
これから外壁リフォームを考えている人が、費用を安く抑えるためにこれからできることは、相見積もりを複数の会社に依頼することです。1社だけ見積もりを見ても、それが高いのか安いのかは判断ができません。信頼している会社に見積もりをお願いしたとしても、それが本当に安いのかは、比べてみないと適正なのか分かりません。ですので、必ず複数の会社に見積もりを依頼することをおすすめします。
見積もりで見る部分【諸経費】
見積もりを出してもらったら、まずは諸経費を確認しましょう。諸経費とは、外壁塗装のリフォームに伴う、細かい経費のことを指します。諸経費にも2種類あり、「現場管理費」と「一般管理費」というものがあります。
「現場管理費」とは、現場監督や職人の人件費や作業道具費、材料の運搬費用や交通費、保険料や印紙代などの費用です。
「一般管理費」とは、営業や社内管理にかかる人件費や広告宣伝費、事務消耗品などの費用になります。
これらの費用をひとまとめにしたものが諸経費になります。どれくらいの金額を諸経費とするかは、塗装会社によってさまざまですが、工事金額の5〜15%くらいが諸経費として示されていることが多いです。
見積もりで見る部分【内訳】
次に見積りで見る部分は、内訳の内容です。「一式」と書かれていることが多いと思いますが、一式も何かをまとめているということなので、一式がどんな内訳なのかしっかりと説明してもらいましょう。
一式には、何がどれだけ含まれているのかを確認することで、この一式には○○が含まれていないので、追加で費用をいただきますというトラブルを防ぐことができます。
事前に確認すべき【製品保証】
見積もりをしてもらった段階で、保証についても確認しておくと安心です。保証は2種類あり、1つはこの製品保証です。塗料そのものに対する保証になっており、塗料を使って、なにか不具合が発生したときに、塗料メーカーが塗り直しを保証する制度になります。ただし、工事内容が原因で不具合が起きた場合には、この保証は適用されないので、注意が必要です。
事前に確認すべき【工事保証】
もう一つの保証がこの工事保証です。これは、工事内容に対する保証のことで、保証内容は会社によって異なります。塗膜が剥がれた時の補修や定期的にメンテナンスを行うなどの保証内容が異なるので、保証期間や保証内容を塗装会社に確認するようにしましょう。
一括見積サイトには要注意!
登録すると、複数の塗装会社から無料で一括見積もり依頼をすることができるのが、一括見積サイトです。業者を1つ1つ探して、1社ずつ連絡をして、見積もりのお願いをする手間を省くことができるので、便利なサイトになっています。
しかし、この一括見積サイトでは注意が必要です。一括見積サイトに登録されている塗装会社が全部優良な会社とは限らないということです。この一括見積サイトに加盟している業者は、サイト運用会社に多額な手数料や紹介料などを払って登録しています。一括見積サイトに反響があった場合、お客様の情報をサイト加盟店に流します。そのお客様を取ろうと必死に不当な見積書を出したりすることがあるため、注意が必要です。
一括見積サイトでは、つい価格で比較してしまいがちですが、しっかりと工事の質も確認して比較検討することが重要です。
耐久性の高い素材を選ぶこと
これから外壁リフォームをする人は、リフォームをした後のメンテナンス性や耐久性を考えて、性能のいい素材を選ぶようにしましょう。工事費用やコストはそれなりに高くなってしまうかもしれませんが、長い目で見たときに、耐久性が高いものを施工していると、その分長く持つので、何度もリフォームをする必要がなくなり、結局、経済的に安く済むことがあります。
外壁リフォームでよくあるトラブル
最後に、外壁リフォームの際によく起こりうるトラブルを紹介します。
高圧洗浄の際に部屋の中に水が入ってきた
外壁リフォームをする際、外壁をきれいにするため、一度外壁を高圧洗浄でキレイにします。その際に、窓やドアの閉め忘れ、換気扇のつけっぱなしにより、水が室内に入り込んで大変なことになってしまうことがあります。高圧洗浄をかける際は、家の全部の窓や換気扇、給気口の部分の施錠をしっかりと確認しておきましょう。
また、業者側では、外壁の状態や箇所を考えずに、同じ水圧で洗浄してしまうと、外壁が崩れひびが入り、室内に水がしみ込んでしまうこともあります。これは会社側のミスになるので、高圧洗浄をして水シミがあったら、報告するようにしましょう。
近所に塗料が付いてしまった
塗装工事をするうえで、近所とのトラブルが起きてしまうケースがあります。周辺に塗料が飛び散らないように、養生をしたり、シートをしてはいるものの、丁寧ではない塗装会社は、塗料が飛び散ってもなんのその、お構いなく施工している会社も中にはいます。近所の方から苦情がきたら、謝罪をし、塗装会社に報告し、すぐ対応してもらうようにしましょう。
このようなトラブルを起こさないためにも、施工が丁寧な塗装会社を選ぶことをおすすめします。
想定していた完成形と違う
想定していた色や形、見た目が違うというトラブルはけっこう起きがちです。色見本帳で確認したのに、シミュレーションで確認したのに、できあがったものは違うように見える…そんなトラブルが起きるのは、確認するサイズに違いがあったため、印象が異なって見えるというケースや、照明の下で見る色と、太陽光の下で見る色とでは異なってみるというケースなどさまざまな要因が考えられます。
明らかに違う色だと感じたら、施工中に早めに聞いてみるといいでしょう。色に関するトラブルは、追加料金を払って塗り直ししないといけないケースもあるので、注意が必要です。
外壁塗装リフォームしたのにすぐに塗膜がはがれた
塗り替えして間もないのに、塗膜表面が剥がれてしまったり、色褪せが起きてしまうような不具合が発生してしまうケースがあります。この原因としては、施工業者の施工品質によるものです。
経費削減のため下塗り材の量を少なくした結果、上塗り材との密着が弱くなって、剥がれてしまったり、工期を短くするため、高圧洗浄を十分にしないまま、下塗り材を塗ってしまうという悪質な施工だとこのような現象が起きてしまいます。
このような現象は、施工業者のミスになるので、塗り直しを依頼するといいでしょう。また、このようなトラブルを未然に防ぐために、作業工程の写真を残してもらうと、どの工程が悪かったのかが明確になります。作業工程もしっかりと報告してくれるような優良塗装会社に依頼するといいでしょう。
リフォームして間もないのに、サビが出てきた
外壁塗装を塗り替えしたのに、1年も経たないうちにサビがでてきてしまうことがあります。その原因は、下地処理を十分に行わなかった施工業者です。鉄部分や木目部分では、塗料の密着性を高めるために、塗装面を削ったり、サビ取りをする「ケレン」という下地調整をしています。このケレンという作業を十分に行わないと、サビが出てきてしまうことが多いです。
この場合も、施工業者のミスになるので、塗り直しややり直しを依頼してみましょう。
過剰なリフォームを進められて高額な請求になってしまった
悪質な塗装会社の場合、見積もりの段階では安い金額を提示し、請求書では、見積もりにはない工事を勝手に行われ、追加費用を請求してくるというケースも中にはあるようです。
基本、見積もりには書いていない工事を勝手に行われた工事の費用は支払う必要はないです。しかし、足場を組んでから、修正すべき部分が見つかることがあります。そのようなケースは多々あるので、優良な外壁塗装業者の場合、見積もりの段階で、追加費用の可能性があるということを伝えてくれ、追加が発生した場合には、勝手に工事をするのではなく、施主の許可を得てから工事をするはずなので、だまされないように注意が必要です。
大幅な値引きのワケには理由があった
訪問販売で大幅な値引きをする業者は、悪徳業者の可能性が高いです。大きな値引きをする会社は、手抜き工事をされる場合もあり、そうすると、短いスパンで外壁リフォームを検討しないといけない羽目になってしまいますので、注意しましょう。
また、値引き交渉をして、塗装内容を変えずに、大幅に値引きされると、人件費を抑えるため、数時間でささっと施工させられることもあり、丁寧な施工がされずこちらも手抜き工事で余計費用がかかってしまうということもあります。大幅な値引きや交渉には慎重にしましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回の記事では、外壁リフォームにかかる費用の相場と知っておくべきポイントについてご紹介しました。
外壁リフォームの費用は様々な要素によって左右されることを把握しておくことが重要です。 外壁リフォームの費用は、リフォームする範囲や規模、使用する材料などによって異なります。また、地域や施工会社によっても価格が異なる場合があります。そのため、外壁リフォームを検討する際には、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
また、外壁リフォームにはさまざまな種類があります。塗装や張り替え、断熱材の追加など、目的やニーズに合わせて適切な工事方法を選ぶことが大切です。それぞれの工事方法には費用やメリット・デメリットがありますので、事前に調査や相談を重ね、自分に最適な方法を選ぶことが求められます。
さらに、外壁リフォームを検討する際には、長期的な視点で考えることも重要です。耐久性やメンテナンスの容易さなど、将来の維持管理にも費用や手間がかかる場合があります。そのため、初期費用だけでなく、長期的なコストを考慮して計画を立てることが必要です。
外壁リフォームにかかる費用の相場と知っておくべきポイントは、外壁リフォームを検討する際に役立つ情報です。自分のニーズや予算に合わせて、適切な工事内容と業者を選ぶことが大切です。ぜひ、この記事の情報を参考にして、安心できる暮らしを実現するためにも、外壁リフォームの計画を進めてください。