外壁塗装のシリコン塗料を徹底解説!メリットやデメリットもお伝えします
「外壁塗装にシリコン塗料が良いと聞いたけど、どんな塗料なのかわからない…」
「シリコン塗料のメリットやデメリットは何?」
「塗装前にシリコン塗料の単価を知りたい!」
あなたは外壁塗装でこんなお悩みをお持ちではないでしょうか?年数の経った外壁を放置すると、外装リフォームに多くの時間と費用がかかってしまいます。「自分の家に合った塗料を見つけたい」 「費用がかかるから、失敗は避けたい」と考えるのは当然のことです。
外壁塗装を検討する際に、候補として上がるのが「シリコン塗料」です。シリコン塗料は耐久性が高く、コストパフォーマンスに優れているため、多くの住宅に使われています。ですが、シリコン塗料がどのような特徴を持っているのか、自分の家に合っているのかわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、シリコン塗料で外壁塗装を考えている方に向けて、シリコン塗料の特徴や単価、メリットとデメリットを解説します。外壁塗装にシリコン塗料を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
外壁塗装に使われるシリコン塗料とは
シリコン塗料は、シリコン樹脂を主成分とした塗料で、外壁塗装の現場で広く普及している塗料の1つです。住宅の外壁だけでなく、屋根の塗り替えにも使用されています。シリコン塗料が多くの現場で採用される理由は、汎用性が高いからです。木材やモルタル、コンクリート、金属など、様々な外壁材に使用できるため、多くの住宅に施工が可能です。
特筆すべき特徴は、雨風や紫外線、熱に対する強さです。外壁は常に厳しい環境にさらされていますが、シリコン塗料は天候の影響を受けにくく、長期間にわたって住宅を保護してくれます。また、シリコン塗料は多くの塗装業者が取り扱っているため、施工実績も豊富です。初めて外壁塗装を行う方でも、安心して採用できる塗料でもあります。
シリコン塗料が人気な理由
シリコン塗料は、多くの新築やリフォーム時に使われるほど人気の高い塗料です。その理由は、以下の3つになります。
- コストパフォーマンスが良い
- カラーバリエーションもが豊富
- 様々な外壁材に使用できる
コストパフォーマンスが良い
シリコン塗料は耐久性や性能に比べて、比較的リーズナブルな価格設定となっています。他の塗料と比較すると、以下のとおりになります。
塗料の種類 | 1㎡あたりの単価 | 耐用年数 |
シリコン塗料 | 2,300~3,500円 | 8~15年 |
アクリル塗料 | 1,000~1,800円 | 3~8年 |
ウレタン塗料 | 1,500~2,500円 | 5~10年 |
ラジカル塗料 | 2,200~4,000円 | 8~16年 |
フッ素塗料 | 3,500~4,800円 | 12~20年 |
無機塗料 | 3,500~5,500円 | 10~25年 |
シリコン塗料は中価格帯でありながら、8〜15年と比較的長い耐用年数を誇ります。初期費用はアクリル塗料やシリコン塗料より高めですが、長期的に見ると十分なコストパフォーマンスを発揮できる塗料と言えるでしょう。
カラーバリエーションが豊富
シリコン塗料は新築やリフォームで使用されることが多く、カラーラインナップも充実しています。なぜなら、人気のある塗料のため、各塗料メーカーが様々な商品を開発・販売しているからです。製品の数も多く、性能や価格帯の選択肢も広がっています。「黒やグレーのような暗めの色に仕上げたい」「白い外壁で清潔感のある作りにしたい」などの幅広いニーズに対応ができます。
シリコン塗料は10~15年という長い耐用年数を持つため、一度塗装を行うと長い期間選んだ色と付き合わないといけません。そのため、豊富なバリエーションがあることで、色選びに失敗するリスクを減らせます。多くの選択肢の中から、理想の色を見つけられるのは、シリコン塗料の魅力の1つです。
様々な外壁材に使用できる
シリコン塗料は多くの外壁材に使用ができる塗料で、主に以下のような外壁材に施工が可能です。
- 木材
- モルタル
- コンクリート
- サイディング
- ALC
- 金属
他の塗料に比べて適用範囲は広く、耐久性にも優れています。幅広い外壁材に対応できるため、シリコン塗料は新築住宅からリフォームまで、様々なケースで採用されています。価格も手に届きやすい範囲のため、コストを抑えつつ、耐久性を確保できるバランスの良い塗料です。
シリコン塗料のメリット
シリコン塗料のメリットには、以下の3つのメリットがあります。
- 紫外線や雨風に強い
- 外壁のツヤが長持ちしやすい
- 汚れがつきにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
紫外線や雨風に強い
シリコン塗料は高い撥水性を持ち、雨を効果的に弾いてくれます。外壁のカビや藻の発生を防ぎ、建物内部への水の浸入も防ぐことができます。また、シリコン塗料に含まれるシリコン樹脂は、600℃以上の高温にも耐えられる素材です。夏の強い日差しや急激な寒暖差にも十分対応できます。
外壁のツヤが長持ちしやすい
シリコン塗料の主成分であるシリコン樹脂には、紫外線による劣化を抑える効果があります。シリコン塗料は「光沢保持率」が高く、外壁のツヤを長く保つことができます。光沢保持率とは、塗装後のツヤがどれだけ維持できるかを示す指標です。光沢が長期間持続するため、外壁に高級感が生まれ、新築時のような美しい外観を維持できます。
汚れがつきにくい
シリコン塗料の表面は滑らかで、汚れが付きにくい「低汚染性」を備えています。また、雨水などで汚れを洗い流す「セルフクリーニング効果」もあります。汚れが付着しても落ちやすく、メンテナンス頻度を減らすことができます。そのため、外壁の美観を保ちやすいです。
ただし、完全なメンテナンスフリーになるわけではありません。外壁を綺麗な状態に保つためには、定期的なメンテナンスが必要になります。
シリコン塗料のデメリット
シリコン塗料は優れた特徴を持つ一方で、以下の4つのデメリットがあります。
- ひび割れが起きやすい
- 種類が多く性能にばらつきがある
- 低予算の工事には向かない
ここでは、シリコン塗料のデメリットについて解説していきます。
ひび割れが起きやすい
シリコン塗料は塗膜が硬く高い耐久性がある半面、硬さが原因でひび割れが起きやすいのが欠点です。というのも、他の塗料と比べて塗膜の伸縮性が低いため、建物に振動や衝撃が加わった際にひび割れが発生しやすくなるからです。
特に地震の発生時には、建物の揺れに塗膜が対応できず、ひび割れが起きる可能性が高くなります。そのため、地震が多い地域や、電車や大型車両の通行による振動が多い立地では、シリコン塗料は最適な選択とは言えないでしょう。
種類が多く性能にばらつきがある
シリコン塗料は商品のラインナップが豊富で、様々なメーカーから多くの製品が販売されています。主要なメーカーだけでも数十種類あり、製品によって性能にばらつきがあります。
そのため、自分の家に合った塗料を選ぶには、各製品の特徴や性能を十分に理解し、慎重に選択しないといけません。専門知識がない方にとっては、条件にあった塗料を選ぶのが難しいです。
低予算の工事には向かない
シリコン塗料は、コストパフォーマンスに優れているとはいえ、価格帯としては中価格に位置します。アクリル塗料やウレタン塗料といった低価格帯の塗料と比べると、どうしても初期費用が高くなってしまいます。予算を最小限に抑えたい低予算での工事を検討している場合には、シリコン塗料は適していません。予算に制限がある方は、他の塗料を検討する必要があります。
シリコン塗料の種類
シリコン塗料には「水性塗料」と「油性塗料」の2種類あり、「1液型」と「2液型」に分けられます。ここからは、水性塗料と油性塗料の違い、1液型と2液型の違いについて解説します。
水性塗料と油性塗料の違い
水性系と溶剤系の違いをまとめると、以下のとおりになります。
特徴 | 水性塗料 | 油性塗料 |
希釈材 | 水 | 有機溶剤 |
臭い | 臭いが少ない | 臭いが強い |
耐久性 | 油性塗料に比べて、やや劣る | 水性塗料より耐久性が高い |
適用範囲 | 屋内、屋外 | 屋外 |
価格 | 油性塗料より安価 | 水性塗料より価格は高い |
水性塗料
水性塗料は、水を希釈材として使用している塗料です。有機溶剤を使用していないため、臭いが少なく、環境や人体に優しいのが特徴です。主に室内や人が多い場所での使用に適しています。油性塗料と比べると乾燥に時間がかかり、耐久性はやや劣ります。
油性塗料
油性塗料は、有機溶剤を希釈材として使用しています。高い耐久性を持ち、紫外線や雨風に強いため、屋外の塗装に適しています。主に外壁や屋外の構造物に使用されることが多いです。ただし、油性塗料は臭いが強いため、近隣トラブルの原因になりやすい点には注意が必要です。
1液型と2液型の違い
1液型と2液型の違いは、主に以下のとおりになります。
特徴 | 1液型 | 2液型 |
塗料の構成 | 主剤のみ | 主剤+硬化剤 |
施工のしやすさ | 施工が簡単 | 混合が必要で、技術が求められる |
耐久性 | 2液型に比べて、やや劣る | 1液型より耐久性が高い |
乾燥時間 | 時間がかかる | 3~8時間程度で硬化が進む |
価格 | 2液型より安価 | 1液型より価格は高い |
1液型塗料
1液型塗料とは、主剤のみで構成されている塗料です。塗料を混ぜ合わせる必要がなく、すぐに使用できるため、手間がかかりません。施工も簡単で扱いやすい特徴があります。2液型に比べると耐久性は劣りますが、価格は安く費用を少しでも節約したい方に向いています。塗装後の乾燥には時間がかかりますが、翌日以降も使用可能です。
1液型塗料は、サイディングボードやモルタル、コンクリートなどの外壁材に塗装ができます。ただし、スレートやアルミ、金属系の外壁材には適していません。アルミや金属系の外壁に塗装する場合は、2液型塗料の使用を選択しましょう。
2液型塗料
2液型塗料は、主剤と硬化剤を混ぜ合わせて使用する塗料です。使用前に塗料を混ぜ合わせる必要があるため、作業開始までに時間がかかります。また、適切な量での混合が必要で、プロの塗装業者でも扱いが難しいです。1液型と比べると耐久性が高く、スレートやアルミ、金属類など幅広い素材に使用できます。
価格は1液型よりもやや高めで、乾燥時間は3〜8時間程度と比較的早いです。その日のうちに使い切らないといけないため、翌日に持ち越しはできません。
シリコン塗料と他の塗料との比較
シリコン塗料以外にも、外壁塗装には様々な塗料が使われています。塗料ごとのメリットやデメリットに関しては、以下のとおりです。
塗料の種類 | メリット | デメリット |
アクリル塗料 | 塗装費用が安く、初期費用を抑えられる | 耐用年数が3~8年と短く、定期的なメンテナンスが必要 |
ウレタン塗料 | 塗膜が柔らかく、ひび割れが起きにくい | 紫外線に弱いため、日当たりの良い場所では変色しやすい |
ラジカル塗料 | チョーキング現象の発生を抑えられる | 歴史が浅く、濃い色や暗めの色が少ない |
フッ素塗料 | 無機塗料よりも安く、耐用年数はシリコン塗料より長い | 塗膜が硬く、車の振動や地震でひび割れが起きやすい |
無機塗料 | 紫外線で劣化する成分が少なく、カビやコケが発生しにくい | 施工が難しいため、費用が高くなってしまう |
ここからは、各塗料の特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
アクリル塗料
外壁塗装で使用される塗料の中で、最も価格が安いのがアクリル塗料です。耐用年数は3〜8年と短く、定期的なメンテナンスを必要とします。できる限り初期費用を抑えたい方や、定期的に外壁の印象を変えたい方におすすめです。
アクリル塗料のメリット
アクリル塗料の最大の特徴は、1㎡あたり1,000〜1,800円という価格の安さです。他の塗料と比べて費用を抑えながら外壁塗装を行えます。
また、カラーバリエーションが豊富なため、お住まいの雰囲気に合わせた色選びがしやすいです。塗装後の仕上がりをイメージしやすく、外観の印象を自由にコーディネートできます。塗りムラが出にくく、施工不良が起きにくい塗料でもあります。
アクリル塗料のデメリット
アクリル塗料は耐用年数が3〜8年と短く、耐久性は他の塗料に比べ低いです。紫外線や雨風の影響を受けやすく劣化が早く進行するため、外観の美しさを保つことが難しい塗料です。また、汚れが付着しやすいという特徴もあり、定期的なメンテナンスが欠かせません。
塗装後は塗膜が固くなりやすく、温度変化や湿度変化による建物の膨張・収縮に対応できないため、外壁にひび割れや塗装の剥がれが発生しやすくなります。そのため、比較的早い段階での塗り替えが必要になります。初期費用は安価でも長期的に見ると維持費用が高くなってしまうでしょう。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、ひび割れに強く、塗装後は光沢のある仕上がりになります。ですが、紫外線に弱いため、日当たりの良い住宅には不向きです。
ウレタン塗料のメリット
ウレタン塗料は、1㎡あたり1,500〜2,500円とアクリル塗料よりも若干高めです。しかし、耐用年数は5〜10年と比較的長く保ちます。ウレタン塗料の塗膜は柔らかいため、塗装後のひび割れが起きにくく、車通りの多い立地や、地震による住宅の揺れに強い耐性があります。塗装後は光沢のある仕上がりになるため、住宅に高級感のある外観を演出できるでしょう。
ウレタン塗料のデメリット
ウレタン塗料は紫外線や雨風に対する耐久性が低いのが欠点です。特に紫外線の影響を強く受けやすく、日当たりの良い場所では外壁の変色が早く進行してしまいます。また、グレードの高い塗料に比べ耐用年数は短いです。そのため、塗り替えまでの期間が短くなってしまいます。10年以上の耐用年数を求める場合は、ウレタン塗料以外を検討しましょう。
ラジカル塗料
ラジカル塗料は正式にはラジカル制御型塗料と言います。ラジカル塗料は「チョーキング現象」を引き起こす原因となるラジカルエネルギーに働きかけ、チョーキングの発生を抑えてくれる優れた塗料です。2012年に発売された塗料のため、他の塗料に比べて実績は少ないです。そのため、塗料業者によって取り扱っていない場合があります。
ラジカル塗料のメリット
ラジカル塗料は、外壁塗装で発生する「チョーキング現象」を抑制できる塗料です。チョーキング現象とは、外壁に触れると白い粉が付着する現象で、塗膜の劣化によって起こります。塗膜に含まれる顔料が酸素や紫外線に触れると、「ラジカル」が発生します。ラジカルが発生すると塗膜の分解が起きるため、チョーキング現象に繋がります。
ラジカル塗料には、「ラジカル制御型酸化チタン」と「光安定剤」という2つの成分が配合されています。これらの成分がラジカルの発生を抑え、チョーキング現象を防いでくれます。また、ラジカル塗料は、汚れが付きにくく変色も起こりにくいのが特徴です。塗装後のツヤを長く保てることに加え、カビやコケの発生も抑制できるため、美しい外観を維持しやすい塗料でもあります。
ラジカル塗料のデメリット
ラジカル塗料は2012年に日本ペイントから発売された比較的新しい塗料のため、塗料としての歴史が浅く、実績も他の塗料に比べると少ないです。塗装業者によっては、ラジカル塗料の取り扱いがない可能性もあるため、施工を依頼する際は事前に確認が必要です。
また、ラジカル塗料は濃い色や暗め色のラインナップが少ないです。その理由は、ラジカル塗料に含まれている「ラジカル制御型酸化チタン」が色を明るく見せる物質だからです。濃い色や暗めの色で外壁を仕上げたい場合は、別の塗料を検討しないといけません。
フッ素塗料
フッ素塗料はシリコン塗料よりも耐用年数が長く、無機塗料に比べ費用を抑えられます。ですが、対応できる業者が限られているため、フッ素塗料を希望する場合は、業者選びが重要になります。
フッ素塗料のメリット
フッ素塗料は、耐用年数が15〜20年とシリコン塗料よりも長いです。頻繁な塗り替えができない大型商業施設でよく使用されるほどの高い耐久性を誇ります。
無機塗料と比べると耐用年数は若干短いものの、その分価格を抑えられるため、より長期的な耐久性を求める方におすすめの塗料です。15年以上の耐用年数を求めながらも、費用を抑えたい場合の選択肢となります。
フッ素塗料のデメリット
フッ素塗料は塗膜が固く、弾性が低いためひび割れが発生しやすいです。建物の動きに追従できないため、車通りの多い立地は不向きと言えます。価格面でも1㎡あたりの単価が3,800〜4,800円と、シリコン塗料と比較しても価格は高めです。フッ素塗料は取り扱いが難しく、対応できる業者も限られています。
一度フッ素塗料で塗装すると、再塗装の際には特別な下塗り工程が必要になります。そのため、フッ素塗料に対応可能な業者を見つけないといけません。
無機塗料
無機塗料は紫外線に強く、耐用年数が20〜25年と長いため、定期的な塗り替えを必要としません。その分費用も高額になりやすく、工事費用も高額になりやすいです。
無機塗料のメリット
無機塗料は耐用年数が20〜25年と、すべての外壁塗料の中で最も長い耐久性を誇ります。というのも、無機塗料にはレンガやガラスなどと同じ「無機成分」が含まれているからです。
紫外線で劣化する成分がほとんど含まれていないため、色褪せが発生しにくく、日当たりの良い場所での使用に最適です。汚れが付きにくく、カビやコケの発生も抑えられるため、日当たりが悪く風通しの良くない住宅でも、外壁の美観維持に繋がります。
無機塗料のデメリット
無機塗料は優れた耐久性を持つ一方で、シリコン塗料やフッ素塗料と比較して工事費用が高額になってしまいます。塗膜の柔軟性が低いため、ひび割れが発生しやすく、すでにひび割れが起きている外壁の塗装には不向きです。そのため、外壁の状況によっては使用できない場合があります。
さらに、無機塗料は硬化が早いため、外壁塗装時には高い技術が求められます。無機塗料での塗装を検討する際は、施工実績のある業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装におすすめのシリコン塗料
シリコン塗料は様々な種類があり、メーカーによって性能や特徴が異なります。ここでは、主要メーカーのおすすめシリコン塗料をご紹介します。
超低汚染リファイン1000Si-IR
メーカー名 | アステックペイント |
耐用年数 | 15~18年 |
性質 | 水性 |
液型 | 2液型 |
1㎡あたりの単価 | 2,400~3,000円 |
劣化に強い「無機成分」を配合しているのが特徴のシリコン塗料です。紫外線に強く、塗膜の温度上昇を抑制してくれるため、室内温度の上昇を防げます。また、汚れが付着しにくく、雨水で汚れを洗い流すセルフクリーニング効果も備えています。カビや藻の発生を防ぐ効果もあり、外観維持に繋がります。
スーパーラジカルシリコンGH
メーカー名 | アステックペイント |
耐用年数 | 12~14年 |
性質 | 水性 |
液型 | 1液型 |
1㎡あたりの単価 | 1,700〜2,300円 |
スーパーラジカルシリコンGHは、「ラジカル制御型白色顔料」を使用した塗料です。紫外線によって発生する劣化因子の「ラジカル」の発生を抑制し、塗膜の劣化を防ぎます。汚れが付きにくい低汚染機能に加え、防カビ・防藻機能も備わっているため、長期にわたって外観を美しく保てるでしょう。
クリーンマイルドシリコン
メーカー名 | エスケー化研 |
耐用年数 | 12~15年 |
性質 | 弱溶剤(油性) |
液型 | 2液型 |
1㎡あたりの単価 | 2,200~3,000円 |
エスケー化研独自の「セラミック複合技術」による超低汚染性が特徴です。主に以下の3つの機能があります。
- 低帯電性:塗膜表面の静電気を軽減し、汚れの付着を抑える
- 高い架橋密度:汚れの定着を防ぐ
- 優れた親水性:水となじみやすく、汚れを効果的に洗い流す
弱溶剤タイプのため、既存の塗膜の種類を問わず高い密着性を発揮できます。コンクリート、モルタル、金属など、多くの外壁材に使用できるメリットもあります。
エスケープレミアムシリコン
メーカー名 | エスケー化研 |
耐用年数 | 14~16年 |
性質 | 水性 |
液型 | 1液型 |
1㎡あたりの単価 | 2,600~3,000円 |
「ラジカルコントロール技術」が導入されているシリコン塗料で、劣化因子であるラジカルの発生を抑えてくれます。紫外線や雨風に強く、チョーキングやひび割れの発生を予防できます。促進耐候性試験では、キセノンランプを5,000時間照射しても光沢保持率が80%維持できています。
「JIS A 6909建築用仕上塗材耐候形1種」を獲得するほどの耐候性で、塗装後は光沢のある仕上がりになります。汚れが付きにくく、カビや藻の発生も抑制できる高性能な塗料です。
セラMシリコンⅢ
メーカー名 | 関西ペイント |
耐用年数 | 11~15年 |
性質 | 弱溶剤(油性) |
液型 | 2液型 |
1㎡あたりの単価 | 2,200〜2,400円 |
「セラミック変性樹脂」を使用し、優れた耐候性を実現した塗料です。「JIS K 5658建築用耐候性上塗り塗料2級」の試験に合格し、キセノンランプ照射1200時間後でも光沢保持率80%以上を維持します。外壁のツヤが長持ちし、従来品とは異なる新しい低汚染メカニズムを採用。汚れの下から水が浸透し、汚れを浮かせて落とす仕組みで、より効果的な汚れ防止を実現しています。
ファインシリコンフレッシュⅡ
メーカー名 | 日本ペイント |
耐用年数 | 15~18年 |
性質 | 弱溶剤(油性) |
液型 | 2液型 |
1㎡あたりの単価 | 2,300〜3,000円 |
ファインシリコンフレッシュⅡは、2022年10月にリニューアル発売されたシリコン塗料です。シロキサン結合技術により、ツヤの低下や変色が少なく、高い耐候性を実現しています。雨水で汚れを洗い流す低汚染性も兼ね備え、施工もしやすく、外壁塗装時はムラなく仕上がりやすいです。塗装可能な素材は多く、モルタルやコンクリート、金属、スレート、木材など幅広く使えます。
外壁塗装にシリコン塗料が向いているケース
シリコン塗料は、以下の3つのケースにおいて最適と言えます。
- コストパフォーマンスをする場合
- 現在の自宅に10年以上住む予定がある場合
- 色にこだわりたい場合
ここでは、シリコン塗料が向いているケースについて詳しく解説していきます。
コストパフォーマンスを重視する場合
シリコン塗料は、初期費用を抑えつつも十分な耐久性を確保したいと考えている方におすすめです。なぜなら、シリコン塗料は耐久性と価格のバランスが優れているからです。より高性能なフッ素塗料や無機塗料は、確かに耐用年数は長いものの、価格が高く手が出しにくいです。シリコン塗料なら、10年以上の耐久性を確保しつつ、フッ素塗料や無機塗料より安い価格で外壁塗装が可能です。コストを抑えながらも、性能を求める方に最適な選択肢と言えます。
現在の自宅に10年以上住む予定がある場合
シリコン塗料は、耐用年数が8〜15年程度と比較的長く、10年以上の居住を予定されている方に向いています。アクリル塗料やウレタン塗料と比べると、塗り替えまでの期間が長くなるため、メンテナンスの頻度を減らせます。現在の自宅に10年以上住む予定がある場合、シリコン塗料の性能を十分に活かすことができ、頻繁な塗り替えは必要なくなります。
色にこだわりたい場合
シリコン塗料は、新築やリフォーム時によく使用される人気の高い塗料です。各メーカーから様々な種類のシリコン塗料が販売されているため、カラーバリエーションが豊富です。個性的なデザインにしたい方や、特定の色味にこだわりがある方にとって、シリコン塗料は魅力的です。機能性に加えて、デザイン性も両立できます。
外壁塗装にシリコン塗料が向かないケース
シリコン塗料はすべての状況に適しているわけではありません。シリコン塗料が向いていないケースは、以下の3つになります。
- 現在の自宅を10年以内に売却する予定がある
- 外壁のひび割れが気になる場合
- よりメンテナンスのコストを抑えたい場合
現在の自宅を10年以内に売却や引っ越しの予定がある
10年以内に自宅の売却予定や引っ越しがある場合は、シリコン塗料は向いていません。というのも、シリコン塗料の耐用年数は8〜15年のため、耐用年数を十分に活かせないからです。性能を使い切れないため、費用対効果が悪くなってしまいます。10年以内に退去する場合は、アクリル塗料やシリコン塗料が向いています。短期間の利用であれば、必要以上の性能にお金をかける必要がなくなります。
外壁のひび割れが気になる場合
シリコン塗料は塗膜が硬く、耐久性に優れている一方で、塗膜の伸縮性が低いという特徴があります。そのため、外壁のひび割れが気になる場合や、振動の多い環境では不向きと言えます。
特に、交通量の多い立地では、車の振動により外壁に負担がかかりやすく、シリコン塗料を使用するとひび割れが発生しやすくなります。振動の影響を受けやすい環境では、より柔軟性のある塗料を選びましょう。
よりメンテナンスのコストを抑えたい場合
シリコン塗料は8〜15年程度の耐用年数があり、一般的な塗料としては十分な耐久性を持っています。しかし、長期的なメンテナンスコストの削減を考えている場合は、シリコン塗料では不十分かもしれません。
たとえば、フッ素塗料は15〜20年、無機塗料は20〜25年程度の耐用年数があります。初期費用は高くなりますが、塗り替えの頻度が少なくなるため、長期的に見ると総費用を抑えられる可能性があります。メンテナンスの手間やコストをできるだけ抑えたい場合は、より耐用年数の長い塗料を検討することをおすすめします。ただし、その場合は当然ながら、より高額な初期投資が必要になることを覚悟しておく必要があります。
外壁塗装の業者を選ぶ際の注意点
外壁塗装を依頼する際は、業者選びを慎重に行わないといけません。業者選びで失敗しないために、注意点を3つに分けてご紹介します。
相見積りを取って相場を把握する
外壁塗装を検討する際は、3社ほど相見積もりを取ることをおすすめします。というのも、1社だけでは外壁塗装の相場がわからないからです。業者によって使用する塗料や施工方法、人件費なども異なるため、比較をするためにも相見積りを行いましょう。
ただし、相見積もりを取りすぎると、かえってどの業者を選べばよいか迷ってしまいます。そのため、相見積りを3社ほどにすれば、時間の節約に繋がり、選ぶ際の手間も省けます。
ホームページでの施工実績を確認する
実績が豊富な業者なら、より質の高い外壁塗装が期待できます。ホームページで施工実績を確認する際は、以下の3つをチェックしておきましょう。
- 画像付きの施工事例
- 塗装前後のビフォーアフター写真
- お客様の声
特にお客様の声は、業者ごとの対応を詳しく知ることができます。どのような対応をしているのか、実際に依頼したお客様の声から判断できるため、安心して工事を任せられる業者を見つけられます。
外壁塗装後の保証内容をチェックする
どんなに実績のある業者でも、施工不良が発生する可能性はゼロではありません。そのため、万が一に備えて、保証内容の事前確認が大切になります。具体的には、以下の項目をチェックしましょう。
- 保証の対象期間
- 保証の対象となる範囲
- 施工不良が発生した際の対応内容
保証内容によっては無料で対応してくれる場合もあります。塗装後も安心して生活を送るために、保証内容は必ずチェックしましょう。
外壁塗装でシリコン塗料を使った施工事例
ここからは外壁塗装でシリコン塗料を使った施工事例をご紹介します。
岐阜県美濃市泉町 ALC外壁塗り替え 低汚染シリコン塗料使用
https://www.p-miwa.co.jp/sekou/102714.html
before | after |
- リフォーム内容:外壁塗装
- メーカー:アステックペイント
- 材料:超低汚染リファイン1000Si-IR
- リフォーム期間:46日間
全体的に外壁の汚れも目立ち、特に窓枠の下には雨垂れによる黒い汚れが見られました。軒天などの付帯部分やベランダの防水も劣化が進んでいたため、外壁塗装とベランダの防水工事を行いました。
作業の安全性確保のために足場を組み立て、塗料が密着するようにベランダと外壁の高圧洗浄を施工しました。その後、古いシーリングを撤去し、新しいシーリング材との密着性を高めるためにプライマーを塗布し、シーリング材を丁寧に打設していきます。
シーリング工事の完了後、外壁塗装を開始し、劣化が進んでいた軒天などの付帯部分も同時に塗装を施工しました。最後にベランダの防水工事を実施し、全ての工程が完了となりました。ひび割れが補修され、付帯部分も塗装されたことで、住宅全体が見違えるように綺麗になりました。
岐阜県美濃市中央 外壁塗装 超低汚染シリコン塗料使用
https://www.p-miwa.co.jp/sekou/98435.html
before | after |
- リフォーム内容:外壁塗装
- メーカー:アステックペイント
- 材料:超低汚染リファイン1000Si-IR
- リフォーム期間:30日間
こちらの住宅では、外壁には雨筋汚れやコケの発生、目地の劣化も見られました。また、軒の先端部分に雨染みが発生するなど、外壁以外の箇所でも劣化が進行しています。今回はシーリング工事と外壁塗装、付帯部分の塗装も行うことになりました。
シーリング工事では、シーリング材の3面接着を防ぐためボンドブレーカーを設置しました。その後、プライマーを塗布し、シーリング材を打設していきます。シーリング工事の完了後に、外壁塗装を開始します。外壁塗装は下塗りを1回、上塗りを2回施工。軒裏天井やサッシ枠、シャッターボックスなどの付帯部分の塗装を行い、工事は完了となります。施工後は建物の外観が一新され、新築のような仕上がりになりました。
岐阜県美濃加茂市川合町 和風住宅塗装 モルタル 超低汚染シリコン塗料使用
https://www.p-miwa.co.jp/sekou/95712.html
before | after |
- リフォーム内容:外壁塗装
- メーカー:アステックペイント
- 材料:超低汚染リファイン1000Si-IR
- リフォーム期間:16日間
外壁には塗り替えの目安となる「チョーキング現象」が発生していました。塗膜の剥離や目地のひび割れなど、複数の劣化症状も見られます。こちらの住宅には、付帯部分の塗装も含めた外壁塗装工事を実施することになりました。
外壁の高圧洗浄後、既設のシーリングを撤去し、プライマーを塗布。新しいシーリング材を丁寧に打設していきました。シーリング工事が完了したら、外壁塗装を開始します。劣化が進んでいる軒天や破風板の塗装も同時に施工し、最後に窓のクリーニングを行い、工事は完了となります。劣化していた外観が改善されたことで、住宅全体が明るい印象に生まれ変わりました。
岐阜県関市巾 サイディング塗り替え 低汚染シリコン塗料使用 パナソニック(パナホーム)の家
https://www.p-miwa.co.jp/sekou/95559.html
before | after |
- リフォーム内容:外壁塗装工事
- メーカー:アステックペイント
- 材料:超低汚染リファイン1000Si-IR
- リフォーム期間:28日間
こちらの住宅では外壁のチョーキング現象が見られ、塗膜の剥離やシーリングのひび割れも発生しています。そのため、シーリング工事と外壁塗装を行うことになりました。
シーリング工事では、プライマーを塗布した後にボンドブレーカーを設置します。シーリング材を打設し、丁寧にならしていきます。シーリング工事の完了後、外壁塗装を開始します。下塗りを1回、上塗りを2回施工し、軒裏天井や軒樋などの付帯部分の塗装も同時に行いました。最後に窓のクリーニングを実施し、すべての工事が完了となります。塗装前に見られた劣化の箇所が目立たなくなり、綺麗な見た目を取り戻せました。
岐阜県関市西仙房 ALC外壁塗装 超低汚染シリコン塗料使用
https://www.p-miwa.co.jp/sekou/93588.html
before | after |
- リフォーム内容:外壁塗装
- メーカー:アステックペイント
- 材料:超低汚染リファイン1000Si-IR
- リフォーム期間:24日間
外壁にはチョーキング現象の発生やタイル部分のひび割れ、塗膜の剥離が見られました。鼻隠しや破風板の退色も進行しているため、今回は外壁塗装に合わせて、付帯部分の塗装やシーリング工事を行いました。
足場の組み立て後、高圧洗浄で汚れを洗い流していきます。タイル部分の劣化した目地を撤去し、シーリング材による目地の補修を行います。シーリングでの補修後に外壁全体の塗装を開始。劣化が進行していた鼻隠しの塗装も同時に行いました。破風板には板金工事を施工し、新しい板金で保護しました。新築のような見た目に生まれ変わり、劣化があったとは思えないほどの仕上がりになっています。
まとめ
本記事では、外壁塗装に使われるシリコン塗料について詳しく解説していきました。内容をまとめると、以下のとおりになります。
- シリコン塗料は耐久性と価格のバランスが良く、コストパフォーマンスに優れている
- カラーバリエーションも豊富で、様々な外壁材への使用が可能
- 伸縮性が低いため、交通量の多い立地などではひび割れが起きやすい
- 種類が多く、シリコン塗料によって性能にばらつきがある
- コストパフォーマンスを重視したい方に、シリコン塗料はおすすめ
- よりメンテナンスコストを抑えたい方には、フッ素塗料や無機塗料が向いている
シリコン塗料は手が出しやすい価格帯であり、耐久性も兼ね備えたバランスの良い塗料です。多くの外壁材に使用できるため、多くの方にとっては最適な選択になるでしょう。ですが、立地条件によってはシリコン塗料が向かないケースもあります。また、より長い耐用年数を求める場合は、他の塗料も選択肢に上がります。住宅の状況や今後のライフスタイルを考慮した上で、外壁塗装に使用する塗料を決めていきましょう。
三輪塗装は創業62年の外壁塗装専門店です。シリコン塗料を使用した外壁塗装も数多く施工しております。お見積りや相談は無料ですので、シリコン塗料を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。